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神谷町のお1人様歓迎のそろカフェです。東京タワーの麓でアフリカとメンタルヘルスと色々のごちゃ混ぜを。

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1人読書会:「野の医者は笑う: 心の治療とは何か?」東畑開人 :スピリチュアル世界を真面目に研究して、臨床心理学も含めた心の治療全体を定義し直すスゴイ本で腑に落ちまくり。

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すごい本だった。

唐突にハイテンションに始まる冒頭に入り込めず、何がしたいのか分からないので中盤まで読むのが辛かったが、

「治療者も癒されている人である」というあたりから俄然面白くなった。

後半はもう「あーそうか!」「おーなるほど!」と腑に落ちまくりで素晴らしい。

医学的な心の治療というものはあるのだろうが、病院やカウンセリングで必ずしも治る訳ではない。

正しいと見なされている心の治療というのは一体何なんだろうか?

スピリチュアルな怪しげな色々諸々は怪しいと思いつつ、絶滅するわけでもなく、あれこれ発生しているのを目にすると

「もしかして?」「何かあるのかも?」と気になる。

なんてことを思っている人には本当におススメの本。

(でもなぜか私と同じ方向で絶賛しているレビューは見かけなかったので、私の意見は少数派かも)

 

真剣にスピリチュアルにハマっている人には、嫌だろうなと思う。客観的に分析されると腹が立つ人たちはいると思うが、やはりそういう怒りのレビューはあった。気持ちはわかる。

 

おおお、と思った箇所はいくつかあったのだが、メモせずに読んだので抜け忘れがあるかもしれないが

まずぐっと来たのは「治療者も癒されている人である」(言葉は違ったかもしれないけど)。

心理学系や精神科系に興味を持つ人や治療者はそもそも本人がそういう問題を抱えている事が多い、というのは認識していたが、

スピリチュアル・ヒーラーについてはなぜかそう考えたことがなかったので(むしろ怪しい、人を騙そうとしているかも、という疑念があった)、

”ヒーラー自身も人を癒そうとしつつ、自分も癒されている”というのはちょっと衝撃だった。でもそうなんだろうな。

スクールを主催する力のあるレベルの人と、その下の人たち、という2階層構造も非常に納得で、まるでネットワークビジネス。

ボスレベルの人たちは元々お金があってそういうことが始められて、下の人たちは貧しくお金がない、という階層構造はまさにネットワークビジネスであると共に、世の中一般の仕組みであり、スピリチュアル世界は結局世の中の仕組みの凝縮なんだろう。

 

お金を儲けるためのマインドブロックバスターの仕組み、これも目から鱗というか。

最近知人がセミナー商法にハマっていたが、やること言うことがブロックバスターの仕組みとまるで同じ。

下の人間がお金を儲けられる仕組みを作ること自体は良いのかもしれないが、提供するサービス自体に価値があるのか?というのは疑問。

(セミナー商法の知人に対してもそういう思いを抱いたのでちょっと距離を置いていて、でもそれで良かったのかな?私は本当に正しいのだろうか?という良心の呵責というかひっかかる部分がある)

押し売りでなく、顧客が自ら来たいと思って来るのであれば、そのサービスにも価値があるといえるのかもしれないが

そんな軽薄なサービスに人が来るのが謎。

そこで思ったのは、そこには純粋なクライアントというのは存在しなくて、サービスを提供する側になることを前提としたクライアントなのでは?

サービスを受けた人は、次は自分がサービス提供者になるという、まさにネットワークビジネス。

でもそれでいいんだろうか・・・?本人たちが良ければ良いのか・・・?

そうなるとネットワークビジネスだって良いものになってしまう。この辺は謎。

 

軽躁状態をスピリチュアル世界では「良くなった」ということ、というのも、そうだよなー、と。

セミナー商法の知人も軽躁ぽかったし。しかし軽躁って悪いことなんだろうか?という疑問も湧いた。

躁も鬱も無く、フラットに生きているのが健康なんだろうか?軽躁くらいのほうが楽しく生きていけるのでは?

 

自分の中での疑問は疑問で残るのだけど、今までより考えが一歩進んだ感じ。

いやー面白い本でした。この著者の認識の変遷を定期的に追っていきたい。この後考えが変わるのか変わらないのか、変わるとしたらどういう方向に?興味深い。

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