2020/8/12-8/18に取り上げたアフリカ最新ニュースです。
Twitter(@BlueBaobabBar)や
Facebook(https://www.facebook.com/cafebarbluebaobab/)でアフリカ記事をほぼ毎日ひとつ紹介していまして、そのまとめです。
この週は事件事故としては、ケニアのバッタ再流行を抑える動き、モーリシャスのオイル流出船は2つに割れてモーリシャス政府は責められてる話、スーダンでは特産品ピーナツを自国で加工するため輸出禁止にした話。ガボンはフランスからの独立60周年だけど国内課題は沢山あるという話。
コロナ関連ではルワンダで大量検査の方法を開発した話、アフリカ全土での抗体研究でアフリカの患者が少ない要因を調べる話など。
#アフリカ 610 2020/8/12 【スーダンが突然のピーナツ輸出禁止】
ピーナッツ生産国のスーダンが突然輸出禁止に。
資源系でも原料のまま輸出して他の国が利益になる加工部分をやってて良くないという話はよく聞きますけど、それにしたって急に禁止というのは何か裏の話があるんでしょうかね。
スーダンは世界5位のピーナッツ生産国。
フランスのワイン、イタリアのパスタと並んでスーダンのピーナッツと言っているのが地味に面白かったです
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・世界でも有数のピーナッツ生産国のスーダン
->国内でピーナッツ加工をし、利益の高い加工品輸出を目指す
・国内大手輸出業者らは突然の禁止に困惑
「事前通知も無く非常に驚いている。沢山の契約を抱え、輸出を進める予定だった。
例えばフランスが突然ワイン輸出を止めたり、イタリアがスパゲティの海外販売を止めるようなものだ」
・国連によるとスーダンが世界第5位のピーナッツ輸出国。世界生産量の14%を占める
・スーダンの主な輸出先は中国とインドネシア
・2019年は150万トン、2億ドルを生産。2018年は5900万ドル
・貿易大臣「気候変動の品質への影響を考慮し、ピーナッツの市場価値を高め、スーダン生産物に付加価値を付ける」
・スーダンの外貨獲得手段は金、ゴマ、石油、家畜、そしてピーナツ
Sudan stuns traders by announcing sudden ban on exporting peanuts
http://www.africanews.com/2020/08/11/sudan-stuns-traders-by-announcing-sudden-ban-on-exporting-peanuts/
#アフリカ 611 2020/8/13 【ブハリ大統領から長官へ:テロリストはどう武装するというのか?】
ナイジェリア北部では長いことテロ組織に苦しめられつつも解決できず、先日もブハリ大統領が軍に「戦略を変えろ」と指示してましたが、これも非常に興味深い記事。
へぇぇとなったのは
・国民が「国の軍隊よりボコハラムの方がお金も武器も持ってる」と思っていること
・ナイジェリアの治安問題の根底には貧困と若者の失業問題があると政府も認識していること
・政府も対応しているけど、組織間の協力と情報連携が必要だと認識してること
・テロ被害が政治に利用されていること
・森に潜む盗賊対策が必要だが環境問題から森林伐採はしにくいこと
このやたら長い記事には沢山の組織と沢山の人名が出てきて、そりゃ政治的にも大変なんだろうなというのが伺えました。
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・ナイジェリアのブハリ大統領は昨日、
ボコハラムなどの国内武装組織が政府軍よりもお金があり、武器も洗練されているという世間の思い込みを否定
・大統領はまた国務長官に、近隣国との国境閉鎖しているのに北東のテロ組織がどう武器を手に入れるのかと問いただした
・軍や警察に使われる莫大な資金の観点から、国内の治安を確保するよう求められてのコメント
・ブハリは治安組織のトップらが参加したこのオンライン会議で治安組織間での情報共有を改善するよう求めた
・貧困と若者の失業問題も国内治安の根本にあることが話合われた
・「治安部隊はちゃんと資源があり、機動力もあり良くやっている。ただもっと団結して情報を分析する必要がある」
・軍の武器、航空機はヨルダン、中国、米国から届く予定。近隣国もテロ対策の支援をしてくれている
「ボコハラム対応についてはベナン、ニジェール、チャド、カメルーンと協力している」
・ギニア湾の海軍についても新しい装備になっているが、ボコハラムの新拠点のチャド湖付近やバンディット(盗賊)のいる森までは手が回っていない
「調査によると森が危険地帯になりつつあるが、環境面を考慮すると伐採は難しい」
・カソリック教会の司教「この状況にはうんざりしてる。ナイジェリア人殺害を政治の道具にしないで欲しいし、
とにかく殺害は直ちに止められるべきだ」
Buhari to service chiefs: How do terrorists get arms?
https://www.vanguardngr.com/2020/08/buhari-to-service-chiefs-how-do-terrorists-get-arms/
#アフリカ 612 2020/8/14 【ルワンダ発 コロナの革新的大量検査】
ルワンダで安く早く大量にコロナ検査を出来る方法が出来たそう。
サンプルをまとめて検査するというのはどこかでも目にしたことがある気がしますが、ベターな方法が生まれるのはいいですね。
動画はコロナ検査場かしら。
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・ルワンダの研究者がコロナの画期的な試験方法を開発
->複数人のサンプルをまとめて検査
->一日で結果を伝えられる
・「貧しい国だけでなく、裕福な国でも使える」
・数学的な方法に基づくアルゴリズムで機器不足の国で役立つ
50ドル前後のコストも約半分に
・ルワンダはアフリカでもコロナ確認数は低く、2100人ほど
->30万件の検査を実施
->WHOも優れた対応と認める
Rwanda Launches Innovative Covid-19 Batch Testing
https://www.africanews.com/2020/08/13/rwanda-launches-innovative-covid-19-batch-testing/
#アフリカ 613 2020/8/15 【アフリカ全土でのコロナ抗体研究へ】
アフリカのコロナ感染者も100万人とかなり増えましたが、
それでもまだ13億人の人口から考えると少ないそうで、
アフリカ全土での抗体研究をアフリカCDCが進めるそう。
コロナはまだよく分からない点が多いですが、アジア人も抗体があるとかないとか説を見かけますが、調査が進むといいですね。
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・先週アフリカのコロナ感染者は100万人を記録
->しかしアフリカ13億人の人口にしては感染者数も少なく、死者も2.5万人以下。80万人は回復
->抗体の存在?
ケニアでは20人に1人、モザンビークの2都市では2-5%が抗体を持つという研究も
・アフリカCDCは木曜、アフリカ全土での抗体研究を進めていることを発表
リベリア、シエラレオネ、ザンビア、ジンバブエ、カメルーン、ナイジェリア、モロッコの7か国はすでに参加を表明
・アフリカの若さが要因とする考えも
中間年齢は19歳、コロナに強いのでは
・WHOは木曜にコンゴのエボラ流行に懸念を示したが
アフリカ諸国は過去数々の感染症に対処してきて、それがコロナに生かされているという考えも
・8月14日時点でアフリカでのコロナ死者は2万4千人強
コンゴ共和国の前の大統領や、ソマリアの前の首相なども死亡
感染者100万人、回復者78万人 by アフリカCDC
Africa Launches Covid-19 Continent-Wide Antibodies Study
https://www.africanews.com/2020/08/14/africa-launches-covid-19-continent-wide-antibodies-study/
#アフリカ 614 2020/8/16 【ケニアにサバクトビバッタの嵐】
画だと多少可愛らしい気もしますが、ニュース内の動画はうわーとなってしまうイナゴの襲来。
ケニアでは2月に飛んできてからかなり対応をして抑え込んでいるけど、再襲来の可能性があるとのこと。
コロナみたいな動きですね。。
In 2020, locusts have swarmed in large numbers in dozens of countries, including Kenya, Ethiopia, Uganda, Somalia, Eritrea, India, Pakistan, Iran, Yemen, Oman and Saudi Arabia. When swarms affect several countries at once in very large numbers, it is known as a plague. pic.twitter.com/dLjJLVqylK
— Taufik Gan (@taufik_gan) August 13, 2020
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・ケニアのTurkanaではサバクトビバッタの群れに襲われ、当局は対応に追われる
この70年で最悪の襲撃
・「バッタが成長しきって卵を産む前に出来る限り早く対処したい」
2月にバッタが到来してから数々の対処をしている
・「バッタの動向を監視し続けており、大災害にならないよう抑え込んでいる」
・NYSのボランティア数百人も監視のトレーニングを受け対応
・60万ヘクタールを管理し、5千万匹を駆除
・だが年末にかけての再流行の懸念、その場合人間の食料不足に
コロナでケニア経済の先行きは暗いが、もう一つの懸念要因となっている
Kenya Caught in Desert Locust Storm
https://www.africanews.com/2020/08/14/kenya-caught-in-desert-locust-storm/
#アフリカ 615 2020/8/17 【モーリシャス オイル流出船が二つに割れる】
モーリシャスで座礁した日本タンカーが二つに割れたというニュースは日本でも報道されてましたが、
なんか日本よりもモーリシャス政府の対応が遅かったと責められてるようですね。完全な貰い事故なのに気の毒。。。
悪天候でオイルを抜く作業が出来ないうちに亀裂が入って漏れ出した、というのが現状の説明のようです。
それでも海の色がキレイなのが切ないです。
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・土曜の発表によると何トンものオイルを流出させた日本船が二つに割れた
→残りの燃料はターコイズ色の海に流出
インド洋の国モーリシャスの保護地区近く
・環境省の支援で除去活動が続いているが、2つに割れた船体の写真がSNSにアップされた
タグボートは既に作業中、オイルバリアが張られ、オイルを掬い取る船も近くにいる
・先週、3千トンの燃料のうちほとんどはポンプで抜き取られた
環境団体はサンゴ礁へのダメージと、一度汚染された海岸エリアはもとに戻らない可能性があると警告
・MVわかしおは7/25に座礁、波に洗われた数日後に亀裂。8/6に千トンのオイルが流出しだした
・モーリシャス政府は船の燃料を抜く作業をすぐに開始しなかったことで、責任を問われている
Jugnauth首相は悪天候を理由にしている
・オーナーである長鋪(ながしき)汽船は「ポンプで吸い出した後も残りの燃料が船に残っていた」と述べた
・航路を外れた理由は調査中。海岸から少なくとも16キロ(10マイル)は離れているべきであった
Mauritius: Ship leaking tons of oil breaks apart
https://www.africanews.com/2020/08/16/mauritius-ship-leaking-tons-of-oil-breaks-apart/
#アフリカ 616 2020/8/18 【ガボンはフランスからの独立60周年】
ガボンの独立記念日だったそう。コロナでパレードが出来なかったのは仕方ないとして、
失業や健康教育の課題があり、食料自給も出来ず、フランスとの関係もあり、と問題山積みの記述になってしまうのは
独立記念日というのはそういうのを振り返る日なんでしょうかね。
日本も独立記念日のニュースがあるとしたら、やっぱりあれもダメ、これもダメ、という報道になるような気もしますね
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・ガボンは独立記念日の祭日を祝った
記念パレードはコロナのため中止
・ガボンの目下の課題は道路状況、失業、健康・教育システム
・Ali Bongo大統領は780キロの国内道路ネットワークプロジェクトに言及
2023年完成予定
・過去10年での健康保険システム改善も強調。フランスに対する言及はなし
・Omar Bongo大学の社会学者で教授のTonda氏はフランスとガボンの複雑な関係について語る
・実際、首都リーブルヴィルのスーパーの商品を見ても分かる
「フランスはガボンの一番のパートナーなので、自然にフランス製品が増えます。
ガボン産の製品はまだ少ないのです」
・独立60年でこの石油依存の小国は自国の国民を食べさせられていない
食料品のほとんどは近隣国からの輸入
欧州とラテンアメリカからは冷凍肉、タイからは米を輸入
・年間5億ユーロを食料輸入に使う。経済は数十年単位で縮小
・フランスはガボンを1885年に植民地化、フランス領赤道ギニアの一部に
フランスはガボンと新たな関係を築いたが、それはフランスの核プログラムをキーとした
西アフリカ諸国のウラニウムが狙いでもある
Gabon Marks 60 Years of Independence from France
https://www.africanews.com/2020/08/17/gabon-marks-60-years-of-independence-from-france/
このアフリカニュース投稿について。
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主に自分のアフリカ情報収集と英語訓練目的で、多少皆さんのアフリカ情報のお役に立てればと思っております。
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Photo by Maksim Shutov on Unsplash