2021年8月3週のアフリカニュース:モロッコのスマート接種センター、シェル流出で賠償、北アフリカ山火事、マラリアの折り紙診断、アフリカ農業好調部門、マネキン頭禁止、ナイジェリアのボールペン画家

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2021/8/11-2021/8/17にシェアしたアフリカニュースです。
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モロッコでITを活用したスマートワクチン接種センターの話、
数十年前の石油流出事故でシェル石油がナイジェリアで賠償金に合意した話、
チュニジア、アルジェリアと地中海沿岸の北アフリカで山火事が猛威、
ウガンダとイギリスの大学がマラリア診断に折り紙方式の診断システムを開発、
コロナ禍でも好調な農業部門、
ナイジェリアのカノ州ではイスラム教的立場からマネキンの頭を禁止、
ボールペンで大きな人物像を描くナイジェリアの新進アーティストの話など。

#アフリカ 953 2021/8/11 【モロッコのスマート・ワクチンセンター】

モロッコではワクチン接種センターをデジタル化し、QRコードで手続きが済むようです。
デジタル化を進めるところはこれを機にすすめるんでしょうね

・モロッコはデジタル化でコロナワクチン接種を拡大させる
・カサブランカ近くのワクチンセンターではQRコードを出すだけ
 ->1日に3-4千人の接種を目指す
・QRコードで接種の登録から2回目の接種記録まで追跡可能
 また各種データ分析、ワクチンのコールドチェーン監視などインテリジェント・センサーを利用
・モロッコはアフリカでも接種の進んでいる国
 6月には観光業を一部再開した
Morocco opens smart vaccination centre
https://www.africanews.com/2021/08/10/covid-19-morocco-opens-smart-vaccination-centre/

#アフリカ 954 2021/8/12 【ついにシェルがナイジェリアに支払い 1970年の石油流出で】

シェル石油が1970年のナイジェリアでの石油流出について地域に補償金を支払うという話。長いこと裁判していたようです。
適切に支払ってもらえるなら良かったと思いますが、
ナイジェリアからの撤退話もあるようで、石油会社にとっても税収を上げたいナイジェリア政府にとっても難しい話ですね

・石油大手シェルは1970年の石油流出について
 Ogomiコミュニティに1億ドルを支払うことに合意
 
・1970年にシェルのパイプラインが破裂
 ->原告は度重なる石油流出で土地や地下水が汚染され、健康被害を受けたと主張
  十分な除染、治療も行われなかった
  
・シェル側は石油流出はナイジェリアの内戦時に第三者によって起こされたと主張
・2021年1月にオランダ法廷はシェルに補償を命令。13年に渡る法廷闘争
 長い裁判のため原告のナイジェリア農家2人は死去
 
・シェルは最近ナイジェリアからの撤退を発表
  窃盗や訴訟のリスクを避け、クリーンエナジーにコミットするため
 ナイジェリア政府はシェルにナイジェリアでの事業継続を奨励
Finally, Shell To Pay For 1970 Oil Spill in Nigeria
https://allafrica.com/view/group/main/main/id/00079115.html

#アフリカ 955 2021/8/13 【アルジェリア、チュニジアで山火事】

地中海沿岸は熱波でギリシャの山火事がすごいことになってますが、アルジェリアやチュニジアでも。
アルジェリアでは消火にあたる消防士や兵士が何十人も亡くなっているそうで大災害です。

・地中海沿岸で山火事が広がっており、アルジェリア北部では消化にあたる消防士、兵士、市民など69名死亡
・テブン大統領は3日間の追悼を発表
・短時間に多くの火の手が上がったことから放火の疑いも。逮捕者も
・北アフリカ、地中海沿岸を襲う熱波と強風で火事が悪化
・市民「家畜を置いたまま家族と逃げてきた」
・フランスのマクロン大統領は消防飛行機を2機送る
・隣国モロッコとは長いこと関係性がこじれているが応援を表明
・最近ギリシャで使われた消防飛行機をEUから借りる予定も
・熱波は今週末まで続く見込み。アルジェリアでは気温46度に達している
 毎年夏には山火事が発生するがこれだけ酷いものはまれ
・チュニジアでは気温49度。15か所での山火事報告、死傷者なし
 トルコでは8人の死亡、ギリシャではこの2週間山火事が猛威
Wildfires bring devastation to Algeria, Tunisia
https://www.africanews.com/2021/08/12/wildfires-bring-devastation-to-algeria-tunisia/

#アフリカ 956 2021/8/14 【折り紙診断システム スマホでマラリア検査】

折り紙という名のマラリア診断システムを開発中。
“origami”折り紙ってそんなにメジャーな名称なんですね。
折り畳んだ紙に血液を垂らして検査するそうですが、英グラスゴー大学がウガンダ政府と進めてます。
折り紙+スマホアプリ+ブロックチェーンと要素が面白いですね

・蚊が媒介する病気、マラリアは現在でも多くの感染者、死亡者がいるがコントロールできるもの
->僻地でのマラリア診断が重要
->グラスゴー大学とウガンダ保健省の共同プロジェクト
・“origami”折り紙診断システムを開発
 ->ワックス紙を畳んだものを利用し、PCR検査と同等の効果
  採取した血液を垂らして寄生虫の痕跡を調べる
  
・実験では98%正確に診断
・アフリカ僻地でも広まっているスマホを利用
 ->アプリで折り紙テストの温度を管理、データ分析、専門家への連絡
 
 患者の個人情報を守るためにブロックチェーン技術も利用
 
・ウガンダ政府と協力して進める
How we used smartphones to test for malaria: lessons from Uganda
https://theconversation.com/how-we-used-smartphones-to-test-for-malaria-lessons-from-uganda-165413

#アフリカ 957 2021/8/15 【コロナ禍でのアフリカ農業 好調部門も】

コロナ禍で大変な中ですが、アフリカ農業では好調な部門もあるという話。
南アの柑橘類輸出やウガンダの珈琲輸出は過去最高を記録。この何年も投資して増加させてきたものが結果を出してる感じですね。
また農家の収益分散化で再生エネルギーやバイオマス系も増えるだろうという話。
日本も好調な企業も多いようですが、こういう明るい話はほっとします

・コロナ禍とロックダウンでアフリカ農業は影響を受けている
 ->キャッサバ、ヤムイモ、トマトなど
 
・しかし好調な分野も
 ・南米では数か月も雨が少なかった一方で、アフリカの多くでは収穫量が増えた
 ・南アフリカでは柑橘類の輸出が1.4億カートンと過去最高を記録 この10年は増加傾向
   投資も増えており今後三年間も増加見込み
   南アはスペインに次ぐ柑橘輸出で世界2位
 ->ケープタウンの港はキャパ拡張の必要があり、港湾業トランスネットに農業大臣が圧力
 
・ウガンダのコーヒー輸出も好調
  この30年で最高を記録 この3年は増加傾向
  病気に強いコーヒーの木に変えているのと、農家へのインセンティブ増加でコーヒーの木が増えている
・世界的に農家は収入源を分散させる傾向。観光業への転換や
 風力、太陽光など再生エネルギーへの転換も
 ->コストが下がっているので今後も増えそう。収益率も増えそう
 バイオマスも
Mixed fortunes for African agribusiness amid pandemic
https://african.business/2021/08/agribusiness-manufacturing/mixed-fortunes-for-african-agribusiness-amid-pandemic/

#アフリカ 958 2021/8/16 【ナイジェリア カノ州でマネキンの頭を禁止】

イスラム教が優勢な地域でマネキンの頭を禁止という話。
ムスリムでも若い人達は不満なようですし、こういう伝統的な決まり事と、現在の世界的な流行りとの兼ね合いは非常に難しいですね—
・イスラム教が多数を占めるナイジェリアのカノ州
 イスラム警察が洋服販売用には頭のないマネキンを使用するよう店舗に要請。偶像崇拝に当たるとして
 またシャリア法に背かないよう、マネキンは常に洋服で覆われていること
・カノ州のイスラム法はイスラム教徒にのみ適用されることになっているが
 実際は非ムスリムへも
・「多くの批判の声を受けている」店舗も非難
・昨年はモヒカン頭の若者の髪を剃ったり、ずり下げズボンの人を罰したり
->多くは従っているが、若いムスリムの間では間違った解釈だとする考えも
・マネキンについてはイランやパレスティナでも問題に
Nigeria’s Kano state moves to ban mannequin heads on Islamic grounds
https://www.bbc.com/news/world-africa-58175709

#アフリカ 959 2021/8/17 【ボールペンで人生を描く ナイジェリアのアーティスト】

ボールペンの細い線で大きな絵を描くナイジェリアアーティスト。
新しい人というのは常に出続けているのだと思いますが、この方も新しい人なんだろうなーと感じます。

・ボールペンの細い線でモノクロ写真にも見えるような大きな肖像画を描くJacqueline Suowari 31歳女性
・南部ナイジェリアの大学で美術を学び、国際的なグループ展示会に参加、ソロ展示会をマイアミとナイジェリアで
・今回の展示タイトルはNow I Wear Myself
  ナイジェリアではタブー視される鬱、悲しみ、恥といったものに取り組む
  メンタルヘルスについて語ることはナイジェリアでは難しい。弱さを受け入れること
・アーティストであり、詩人であり、ダンサーだが、
 ボールペンのビジュアル・アーティスト
Meet the Nigerian artist illustrating the human experience with a ballpoint pen
https://edition.cnn.com/style/article/jacqueline-suowari-ballpoint-artist-nigeria-spc-intl/index.html
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