2019年3月5週目のアフリカ最新ニュース:Uber北アフリカで買収から、モロッコいちご生産、ガーナMPharmaがケニア薬局買収、アフリカの中国モバイルメーカー、教皇モロッコへ、パイロット最後の言葉、セネガル女性マクロン政権へまで

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2019年3/27-4/2に取り上げたアフリカ最新ニュースです。
Twitter(@BlueBaobabBar)でアフリカ記事をほぼ毎日ひとつ紹介していまして、そのまとめです。

#アフリカ 098 2019/3/27 「Uberは最大のライバルを買収し北アフリカで寡占化」

Uberは、中東と北アフリカで最大のライバルであるカーレムCareemを
31億ドルで買収して世界市場での勝者になろうとしている。
Uberにとって過去最大の買収で、2社が争っていた北アフリカの主要市場で優位に立つ。
ドバイ拠点のCareemはUberの完全子会社になるが、ブランドやサービスはそのまま維持する。
カーレムは北アフリカでUberの3倍の都市で運営していたが、これで市場は大きく変わる。
買収はこの数か月噂になっており、エジプト当局の反対もあり事態は長い事膠着していた。
エジプトでは、低価格の移動サービスとしてUberもCareemも昨年12月からサービス開始していた。
ライセンス取り消しや地元タクシー会社の反対など規制の中競争していた。
エジプトはUberにとって特に重要な市場で、ライドシェア大手にとってアフリカ最大の市場であり、
世界的にも急成長しているエリアの一つだ。
一方Careemはモロッコで上手くやっており、3つの都市で30万人ものユーザを抱える。
Uberは唯一カサブランカで運営していたが、昨年初めに新しい乗り物サービスを受け入れる環境ではないと
サービスを停止していた。
サブサハラエリアでは元・TaxifyのBoltが活発な拡大路線を展開しており、Uberはまだ競争に直面するだろう。
Boltは10億ドル規模のユニコーン企業で、世界中でUberのライバルとなっている中国のライドシェア大手の
Didi Chuxingが出資もしている。
Uber is set for a monopoly in North Africa after buying its biggest rival there
https://qz.com/africa/1580805/

#アフリカ 099 2019/3/28 「モロッコのいちご生産」

モロッコのいちご生産。
グレートXXプラン、ってどこの国でも付けるのかな。

モロッコの国際いちご祭りは、北アフリカのこの国での今年記録的な収穫量になったことを祝う。
農水省によると収穫量は20万トンと予想され、前年の18万トンより増えている。
動画より:
・科学調査チームでスローガンを作り、病気に対する生物学的な対策を行った
・農業技術が上がればより収穫量は増やせると期待している
・グレートモロッコプラン:農業増産プロジェクト
・冷凍品だけでなく、新鮮な果物の輸出をする。付加価値を付ける。
・輸出先はヨーロッパ
・外貨獲得で地元経済に刺激
・8万人の常時従事者がいる。
Morocco’s strawberry production
https://www.africanews.com/2019/03/27/uganda-coffee-exports-earnings-dip-in-january/

#アフリカ 100 2019/3/29 「ガーナの処方箋薬管理のスタートアップMPharmaがケニア2番目の薬局チェーンを買収」

ガーナの処方箋薬管理のスタートアップMPharmaが
ケニアの薬局チェーンを500万ドルで買収した話。
処方箋薬サプライチェーンの管理・改善ビジネスで、
集中購買や共通在庫など普通といえば普通だけど
まず普通にやるのが必要、ということなんだろう。
アフリカ中に広がりそうな勢いのある話。

ガーナ人の6年目になるスタートアップ MPharmaは、
薬局向けの処方箋薬在庫の管理をするが、ケニアの2番目に大きい薬局チェーンのHaltonsを買収する。
これはアフリカのスタートアップエコシステムで前例の無いものだ。
mPharma が東アフリカ市場に初めて参入し、ナイロビとモンバサのHaltonsの20もの店舗を管理することになる。
この取引はまだ規制認可を受けるところだが、mPharma はアクラとサンフランシスコのベンチャーキャピタルの4DX、
とナイロビのNovastar ベンチャーから1200万ドルのシリーズBの資金調達を受けて行われるものだ。
今のところ970万ドル完了したとされ、フルラウンドはUnboundベンチャー、インドBharti MittalのVC、
Facebookの初期の投資家Jim Breyer、元ノバルティスCEOでMPharmaのボードメンバーとなったDaniel Vasellaらの
出資により数週間のうちに完了見込みだ。
MPharmaは2015年のシード期に500万ドル調達したのち、2017年11月に660万ドル調達した。
創設者はGreg Rockson、アフリカでの薬調達チェーンの効率化を目指す。
この会社のベンダー管理在庫システムVMIはすでにガーナ、ナイジェリア、ザンビア、ジンバブエの250の薬局で利用されている。
若いスタートアップは一般的に伝統的な企業に買収されがちだ。Rocksonが言うには
この普通でない取引はVMIプラットフォームを広げる一環だが、アフリカの薬局が抱える最大のコストである在庫の問題を
フロント・バックの両面から管理することがどれだけ効率的かを証明する機会にもなると気付いたという。
「顧客体験を常にコントロールすることはできないし、彼らが利益幅を管理しているので、
薬局が抱える薬代負担の問題を完全に処理できている訳でもない」
ベストな戦略としてはQualityRx フランチャイズモデルであった。
それは欧米の方式でフランチャイジー同士で同じブランド、在庫システム、集中購買を行うシステムを真似したものだ。
「QualityRxサービスで、顧客体験と薬の小売り価格を改善しようとしている。
患者中心のサービスをフランチャイズ薬局に提供するテストフェーズをHaltonsで行う。
それでマージンを下げ、顧客に還元できるはずだ」
モーリシャス拠点のプライベートエクイティFanisiキャピタルからHaltonsの経営権を引き継ぐが
実務面ではHaltonsの幹部は残る予定だ。
Haltonsの幹部が言うには、この在庫管理ソフト使用により薬サプライチェーンは効率化するはずだ。
Haltonの元々のミッションである、薬を買え、利用できるように、という方針にもフィットする。
「これはボリュームのビジネスで彼らの技術は我々のモデルを改善し競争力が上がるだろう」
契約条件は公開されていないが、チェーンには500万ドルが支払われたという。昨年Haltonsは150万ドルの収益だった。
Haltonsは一時50もの店舗を持つケニア最大の薬局チェーンだったが、現在では縮小し不採算店舗閉鎖とサービス改善をしている。
ケニアでは大手 Goodlife Pharmacyが47店舗で南アのLeapfrog投資会社が2016年に2200万ドル投資している。
mPharmaはVMIとQualityRx をガーナ、ナイジェリア、ケニアの140万もの地域薬局に展開したい。
基本戦略はこのプラットフォームを使い、製薬会社とともに市場の力を拡大することだ。
そしてジャストインタイム方式の在庫管理で小売り売価を下げることだ。
長期的には、アフリカの政府と協力して中央管理システムを通して薬の入手しやすさを改善することをRocksonは考えている。
Ghanaian startup mPharma is buying Kenya’s second-largest pharmacy chain
https://qz.com/africa/1582487/

#アフリカ 101 2019/3/30 「アフリカ最大のモバイルメーカーが中国でIPO」

アフリカでシェアのある中国スマホメーカーが上海IPOする話。
複数SIM、長寿命バッテリー、暗い肌色用カメラという現地機能のほかに低価格戦略でシェアを取っているのと、
中国の戦略としてアリババのように海外IPOせずに中国国内IPOさせたいこのこと。
面白いポイント複数あった。
—-
トランジョンTranssion ホールディングスはアフリカのトップモバイルメーカーで中国上海での新規上場を申請した。
アフリカ市場を独占する中国モバイルメーカーで、
サムソンやアップルといった有力グローバル企業の進出を阻んでこの10年の成長を遂げてきた。
中国深?本社の同社は投資会社の財務と経営ガバナンスの3か月のアドバイザリーフェーズを完了した。
上場の日付はまだ決まっていない。IPOでの目標調達金額は明らかにしていないが、
アフリカ市場のシェアで勝ち続けているので大規模上場になりそうだ。
今のところ、同社はアフリカと南アジア市場に集中して成功しており、現地仕様の機能を搭載している。
複数SIMスロット、長寿命のバッテリー、暗い肌色に対応するカメラ技術などだ。
しかし決定的なのは価格戦略だ。ファーウェイ、サムソン、特にアップルのようなブランドより
ずっと低価格にしていることで、フューチャーホンとスマホの何百万ものアフリカ人ユーザーの最初の選択肢となっている。
同社のスマホブランド Tecno、Itel、Infinixは過去十年でアフリカ中に広まり、ついには2017年にサムソンの
シェアを初めて超えた。
主要工場はアジスアベバにあり、スマホの組み立て、テスト、製品完成までがここで行われる。
研究開発センターはナイジェリアとケニアにある。エチオピアの工場は2011年にオープンし、
月に100万台の電話生産能力、1600人の従業員にまで拡大した。
西側の株式市場の代わりに国内で資金調達をする中国テック系企業に
新たな証券取引所を作るという中国首相の指示の後に同社のIPO申請となった。
中国テック系企業の国内IPOを促進するのは、アリババのような大きなテック系の成功に見られるように
中国の外でIPOするというトレンドを変えることが目的だ。
The biggest mobile phone maker in Africa is going public in China
https://qz.com/africa/1583473/

#アフリカ H0330 スワヒリ語新聞から

Mr.Hasebe提供
タンザニア南部のイリンガ地域で大雨のため地盤が緩み岩が道の近くまで落ちてきたが、通行は大丈夫という当局の発表があった
DC akanusha mawe kuporomoka mlima Kitonga
https://www.mwananchi.co.tz/habari/Kitaifa/DC-akanusha-mawe-kuporomoka-mlima-Kitonga/1597296-5048242-136prgmz/index.html

#アフリカ 102 2019/3/31 「ローマ教皇がモロッコへ」

イスラムの国モロッコへ、キリスト教のローマ法王が訪問する話。
距離的には近いが関係性は遠そうなので意外だったが、
宗教間対話が必要だそう。難民にも対面したり、政治や宗教は融和していくのかしら。
ーーー
フランシス教皇が土曜に到着した。ムスリム指導者と移民に会い、
少数派であるキリスト教信者たちに会うための訪問だ。
世界で13億人のキリスト教の指導者はモハメッド6世に招かれており、
モロッコ当局によると”異宗教間の対話を進める”ためのものだ。
他の宗教との関係改善はアルゼンチン人のポインティフにとって優先事項で、
聖職者への児童性虐待の申し立ての波によって権威が損なわれてきたからだ。
教皇は首都ラバットに到着し、”誠実な司令官”として知られるモロッコ王に迎えられた。
この国は人口の99%はムスリムだ。
1985年以来の北アフリカへの教皇訪問に先立ち、モロッコは安全強化を行った。
2日間の訪問のためにビルは塗り替えられ、道路は飾られ、芝生は刈りこまれた。
教皇はデーツとアーモンドミルクで歓迎された。
以下ざっくりと。
・1300人の学生がいる、寛容なイスラムを学ぶ王立学校を訪問予定。
・二人の学生、アフリカ人とヨーロッパ人と話をする予定
・3万から3万5千人のカソリックがモロッコに住んでおり、多くはサブサハラ出身
・モロッコはイスラムが国教だが、政府は宗教への寛容さを表明しており、キリスト教、ユダヤ教もOK
・しかしイスラム教からの改宗をさせようとする人は3年間牢屋に入る可能性もある
・2017年以降、少数の改宗者は迫害のない、差別のない権利を求めている
・リビア国境閉鎖のためモロッコからスペインへ海を渡る難民が増えている。
・教皇は難民にも会う予定
Pope Francis lands in Morocco
https://www.africanews.com/2019/03/30/pope-francis-lands-in-morocco/

#アフリカ 103 2019/4/1 パイロット最後の言葉「ピッチアップ!上げろ!」

パイロットの恐怖と絶望を思うと辛すぎる。
—-
3月10日のエチオピア航空機事故で無線が途切れる直前の言葉。
離陸直後上空わずか137mで同機は機首を下げだした。
ボーイングの反失速装置unti stalling systemが原因と見られており、それが作動していたという。
昨年のインドネシアでの墜落でもこの新しいシステムを調査していた。
ボーイングは、予定しているこのソフトウェアの改修で、懸念されているこのシステムの繰り返しの運用は防げるだろうとしている。
Pitch up, pitch up” last words of worried pilot
https://www.africanews.com/2019/04/01/ethiopian-airlines-crash-all-you-need-to-know/
最後の部分はボーイングがどこまで責任を認めての発言なのか、prevent repeated operation of the system が具体的に何を指しているかがやや不明。

#アフリカ 104 2019/4/2 「セネガル生まれの女性がフランス政府の広報に」

39歳のセネガル女性がマクロン政権のポストを得た話。
先日、フランスーセネガルの良いとは言えない関係性を聞いたばかりなので、
このセネガルの政治家一家の女性がフランス政権に入り込むのが良い話なのかどうか微妙。悪役ぽいし。
リンク先の映像では、いつも髪型とアフリカンファッションが素敵ではある。
マクロン政権は人の入れ替わりが激しいようで、ブラック・・?若いのはいいけど。
—-
フランスのマクロン大統領はセネガル生まれのメディアアドバイザーを政府の広報担当に任命した。
来月の欧州議会選挙に向けて、彼の内閣の3人の新メンバーの1人だ。
シベ ンジャイSibeth Ndiayeは39歳のダカール生まれで2016年にフランス市民権を取得したばかりだ。
マクロンの大統領キャンペーンのコミュニケーションアドバイザーとして働いていた。
来年のパリ市長選に向けて、先週辞任したBenjamin Griveauxの後釜だ。
「フランスにはお世話になったので、今度は私が恩返ししたい」と任命式で述べた。
「ガラスの天井を破る」手助けをしてくれたと家族に感謝もしている。
政治家の父とセネガル憲法評議会トップの母との間に育った彼女は大学留学でパリへ行き
2002年に社会党に入る前は左派学生活動家だった。
彼女の就任は高いポジションの多様性を後押しする。
マクロンの草の根キャンペーンのドキュメンタリーで彼女は悪評を得た。
映像の中で彼女は、不公平な報道だとレポーターに率直に伝えている。
大統領を守るためには嘘も辞さない、と彼女が述べたという報道もされている。
フランス政府では黒人女性は珍しい。セネガル生まれのRama Yadeはサルコジ政権で複数ポストを歴任した。フランス系ギニア人のChristiane Taubiraはオランド政権で司法大臣だった。
マクロン政権の3名の新メンバーは皆40歳以下で、内閣の男女割合も考慮したものだ。
父が韓国人のCedric O 36歳は同じくパリ市長選に向けて空いたポストに就任した。もう一人のメンバーは33歳。
マクロン内閣の10名がこれまでに離職しており、前政権に比べてこの2年余りでの離職率は高い。
10月には経験のある政治家が内務大臣を突然辞任、その前には人気のあった環境大臣がマクロン政策を批判し突然辞任した。
Senegal-born Sibeth Ndiaye named spokeswoman of French govt
https://www.africanews.com/2019/04/01/39-year-old-senegalese-named-spokeswoman-of-french-president/
◆ニュースソースは基本的にこの2つをチェックしてます。https://qz.com/africa/
http://www.africanews.com

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