2020年6月2週目のアフリカ最新ニュース:BlackLivesMatterでアフリカ系CEO&作家の発言、南アでも抗議、コロナ下のUAEネット犯罪対策、ガーナ状況、紫檀密輸、アフリカ開発銀行総裁調査へ

この記事は約12分で読めます。

2020/6/3-6/9に取り上げたアフリカ最新ニュースです。
Twitter(@BlueBaobabBar)や
Facebook(https://www.facebook.com/cafebarbluebaobab/)でアフリカ記事をほぼ毎日ひとつ紹介していまして、そのまとめです。
この週はアメリカのBlack Lives Matter関連のニュースがありました。
(アメリカはもうコロナはどっか行っちゃった感ありますね)
この事件に対してアフリカ系の作家やフォーチュン500のアフリカ系CEOのメッセージ、
南アフリカでの抗議運動など。
コロナ関連では、コロナ状況下でサイバー犯罪が増加したためアラブ首長国連邦では対策チームが取り組んでいる話、ガーナでは国外在住者の避難についてなど。
また長年の課題である西アフリカのガンビア、セネガルの紫檀木材密輸やアフリカ開発銀行総裁への調査といった話がありました。

#アフリカ 541 2020/6/3 【アフリカ系作家らが団結】

アフリカ系の作家100名超が今回のアメリカでの事件について抗議の手紙に署名をしたという話。
記事中には今まで殺された方、今回サインした作家の名前がずらっと並んでまして、生きている人も亡くなった方にもそれぞれ人生があるんだよなあと思ったりしました。

・アメリカの黒人への暴力行為への抗議で
 アメリカ国内外の100人以上のアフリカ系作家が署名をした
・1964年にマルコムXがガーナで語った「2千万人の我々アフリカ系アメリカ人は
 アメリカンドリームではなく、アメリカの悪夢になっている」という言葉が
 2020年の3700万人にもあてはまっている
・我々はいかなる人種差別的殺人に対しても正義を要求する
・アフリカ連合はアメリカに対して非難の声明を出しているが、もっと頑張ってほしい
・106名の署名
George Floyd: African Authors Sans Frontieres in Solidarity with African-Americans
https://www.theafricareport.com/29231/george-floyd-african-authors-sans-frontieres-in-solidarity-with-african-americans/

#アフリカ 542 2020/6/4 【フォーチュン500社のうち黒人CEOは4名、彼らのコメント】

フォーチュン500の4名の黒人CEOのメッセージ。
共感を生むようなメッセージと会社としての取り組みをさっと出してくるのがアメリカ企業ぽくてスゴイなと思いますが、
こういうメッセージは感動します。
(でもうまい日本語にしにくい)

・アメリカのフォーチュン500社(大企業トップ500)のうち、黒人のCEOはわずか4社
  ジョージ・フロイドの死について彼らのコメント
・高級ブランドコーチなどのTapestry社のJide Zeitlin CEO
  リンクトインで従業員に向けてメッセージ
 「個人的なことだが涙でメッセージがなかなか書けなかった」
 ・NYからサンフランシスコまでショップは損害を受けているが
 「窓やバッグは直せるがフロイド氏は帰ってこない。今までに亡くなったほかの人々も。
  それぞれが大事な黒人の命だ」
 ・同社はこういった不平等に取り組むと語った
 ・Zeitlin氏はナイジェリアでシングルマザーのもとに生まれ、5歳で米国人家庭の養子に
  ゴールドマンサックスで20年務めたのちにTapestry社へ
  
・住宅リフォーム・生活家電チェーンLowe’sのMarvin Ellison CEO
 「差別のある南部で育ったので、この怒りや憤りを理解できる」
 ・同社は人種差別をしないポリシーがあり、CEOも安全な環境を守ると約束
 「Lowe’sは家を良くする手伝いをしているが、今や我々の家は壁を超え隣人、地域、国にまで広がっている」
 
・製薬会社Merck & CoのKen Frazier CEO
 「アフリカ系アメリカ人コミュニティはあのビデオを見て、あの人間として扱われない姿は
 自分であり他の同胞だったかもしれないと思っただろう」
 ・Frazier氏は1960年代のマーティン・ルーサーキング牧師の時代にフィラデルフィアで育った
 ・90分かけて白人の学校へ通い「厳しい教育」を受けた。市から選ばれた9人の黒人児童の一人だった
 ・自分自身は機会を与えられてラッキーだったが、しかし「大きな機会のギャップ」は今でもある
 「このギャップを埋めるのはアメリカ企業の責任でもある。雇用の機会を我々が作らなければ、希望を失うことになる」
・退職者向け金融サービスTIAAのRoger Ferguson CEO
 「アフリカ系アメリカ人コミュニティに対するこの事件に怒りを感じている」
 ・父親は米軍の地図製作者だった
 ・Ferguson氏はハーバードで経済を専攻、連邦準備制度理事会の副議長の後、2008年からTIAAのCEO
 「このパンデミックに向き合う今こそ、違いを受け入れる時だ」と肌色の違いについて語った
 「このような出来事は我々人間を脅かす、差別による恐れ、不平等を明らかにする」
・会社としての取り組みを表明、従業員にはサポートプログラムへの参加を呼びかけ
There are just four black CEOs of Fortune 500 companies. Here’s how they are addressing the death of George Floyd
https://edition.cnn.com/2020/06/01/business/black-ceos-george-floyd/index.html

#アフリカ 543 2020/6/5 【南アフリカでも抗議運動 #黒人の命は大事】

米国での抗議運動について、南アフリカでも抗議運動があったという話。
米国が白人対黒人という対立軸だとすると、アフリカで一番それに近いのは南アなのかなと思って読みましたが、
「新植民地主義、反帝国主義」なんかも出てきて、やはりローカライズされるものだなと思ったり。
南アでもロックダウン中に兵士に殺された方がいて、フロイド氏の事件と同じ問題だと報道されているようです。

・水曜、ケープタウンの南アフリカ議会の外で#黒人の命は大事(#BlackLivesMatter)の抗議運動
・デモ参加者はアフリカ系アメリカ人ジョージ・フロイドとの団結を訴えた
・「最終的には反・新植民地主義、反帝国主義、反・新世界秩序の運動が生まれるだろう。どこかで始めなければいけない。
我々よりすでに先を行っている人もいるが、だからといって遅くてもやらないよりはいい」by デモ参加者
 
・「みな行動しないで恐れている。例えばレイプ事件は報告される件数の8倍は起きてると言われてる」
・参加者はコリン・コーシャを追悼
  ロックダウン中の4月に兵士によって暴行され、病院で亡くなった南アフリカ人
  南アのメディアはジョージ・フロイド氏の事件との類似性を強調している
  
”Black Lives Matter” protest hits South Africa
https://www.africanews.com/2020/06/04/black-lives-matter-protest-hits-south-africa/

#アフリカ 544 2020/6/6 【コロナ時代のサイバー犯罪対策 UAE】

中東UAEではコロナでネット銀行の利用が増え、サイバー犯罪も増えたため国家として対策しているという話。
遠隔授業になった若者も狙われやすいので家庭に向けた啓蒙キャンペーンなども。
この辺はどの国も同じ傾向がありそうですね。コロナでネット化が進んで、犯罪もネットに乗ってくると。

・近年ビックデータ、ブロックチェーン、IOTなどの波が中東、北アフリカにも来ているが
 セキュリティリスクは付き物
・4月にUAEは初の詐欺注意キャンペーンを始めた
  コロナ自粛でオンラインバンキングサービスの利用増加により
  ->SIMジャック、個人情報盗難なども発生
  
・UAEの政府コンピューター危機対応チームを組織
 通信規制当局の部門として4月は3万4千件のサイバー犯罪に対応。マルウェアやフィッシングなど
 
 「口座情報を盗もうとする偽サイトなども増えている。
  偽サイトを見分けるための啓蒙活動が必要」
  
・コロナで遠隔学習になっている若者は餌食になりやすい
 ->家庭を対象とした支援プログラムを行う
・米国の電子住民票プラットフォームInCountryは中東拠点として
 アブダビのテック系エコシステムHub71を選定
  InCountryはエジプトやサウジなど80か国以上で運営
 ->国民などのデータを保管、保護
 ->これにより自国のデータを、米国、中国、欧州といった安全規制が自国と異なるエリアに置かなくてすむ
 「オフラインからオンラインに経済を移行する際にはリスクは常につきまとう」
 
・昨年UAEは62億ドル(6200億円)をIT技術につぎ込んだ。今後も12%ほど増える見込み
UAE authorities tackle rising cybercrime during COVID-19 pandemic
https://www.africanews.com/2020/06/05/uae-authorities-tackle-rising-cybercrime-during-covid-19-pandemic/

#アフリカ 545 2020/6/7 【アフリカ開発銀行 総裁の調査へ】

蝶ネクタイが印象的なアフリカ開発銀行のトップ、アデシナさんですが、このところ告発がありザワザワしてます。
アメリカが調査を要求してるのはどうしてかしらと思ってましたが、AfDBの2番目のシェアホルダーだそうです。
どの組織も不正や腐敗はエンドレスに出てくると思うのですが、時々こういう騒動が必要なのかも

・アフリカ開発銀行AFDBは総裁の疑惑について独立調査を開始する
  ナイジェリア人のアキンウミ・アデシナAkinwumi Adesinaは次期総裁選挙の唯一の候補者
  
・アメリカからの調査要求に応じたもの
  非倫理的行動や個人的えこひいきといった告発に対し、問題なしと結論づけた内部調査に米国は不満
・総裁選は8月の終わり。その前に結論が出るよう調査
・アデシナ氏は2015年から現職
  AfDBは世界トップ5の大手多国籍開発銀行
  今年初めから告発の声があったが、公開されたのは4月
  ナイジェリア人ひいきや、汚職など
  
・60歳になるアデシナ氏は否認、無罪を主張
・AfDBの最大シェアホルダーは1位ナイジェリア、2位アメリカ
  5月終わりにアメリカは独立調査を要求
・半年前の時点ではアフリカ連合とECOWASの支持を得て、2019年10月には1150憶ドルの資産増加があり
アデシナ氏再選は確実視されていたが、ここにきて不透明に
・派手なカリスマのあるアデシナ氏をナイジェリアのブハリ大統領も支援
  開発エコノミストであるアデシナ氏は以前はナイジェリアの農業大臣だった
  その他アフリカの前リーダーたちも彼をサポート
  
・アフリカ以外のシェアホルダーは慎重
・AFDBのシェアホルダーは54のアフリカ諸国と、26のアフリカ以外の国
  金融格付けはアフリカ組織唯一のトリプルA
 
・内部スタッフはこの5年で多くのマネージャーが辞めたと告発
AfDB Launches Independent Investigation into its President
https://www.africanews.com/2020/06/05/afdb-launches-independent-investigation-into-its-president/

#アフリカ 546 2020/6/8 【ガンビアの木材密輸】

ガンビア、セネガルの絶滅危機の紫檀木材が中国に密輸されてるという話。
ワシントン条約で対処できそうという話のようですが、密輸系にはいつも中国が出てくるような。消費ボリュームが大きいからですかね。
鉱物資源みたいに国際規制を厳しくするしかないんでしょうね

・ワシントンの非営利団体環境調査局EIAのレポート
 ・セネガルの武装組織MFDCが10年で推定160万本の紫檀をセネガルからガンビアへ密輸、そして中国へ
・木材はガンビア輸出の3割を占める
  しかし輸出相手国の中国、ベトナムの輸入量より年間5000万ドルほど少ない
  その差は紫檀の密輸・ロンダリングによるもの
・西アフリカの紫檀は絶滅の危機にあるが、ガンビアは最大の輸出国
  多くは隣国セネガルから違法に密輸されたもの
  武装組織の資金源
・2017年から現職のガンビアのバロー大統領は就任直後から密輸に取り組むと明言
  しかし政府高官らの汚職と密輸組織による脅しのため、大きな成果は出ていない
・2017年以降、ワシントン条約にアフリカ紫檀も含まれ、即時に紫檀密輸を止められる可能性がある
「これはガンビア、セネガルの人と森にとってゲームチェンジャーになる可能性がある」
The Gambia’s Blood Wood Trafficking
https://allafrica.com/stories/202006030761.html

#アフリカ 547 2020/6/9 【ガーナのコロナ 政府の避難計画と教会再開】

ガーナもコロナの制限を徐々に緩和しつつ、海外在住者の避難を進めるとのこと。
このタイミングだと、移動して帰るのがいいのか、当地でじっとしてるのがよいのか、判断が難しい気がしますが帰るようですね。
今更ですが、borders closedのボーダーってなんとなく海陸空の外国とのやり取り全部だと思ってましたが、
もしかして陸の国境限定ですかね。
日本語の「国境」という言葉も「国の境目」ですし、日本には国境は無いのでしょうか。すごく今更の発見。。

・西アフリカでガーナはナイジェリアに次ぐ感染者数
 しかし6月は徐々に制限を緩和
 
・国境は閉鎖中、一部教育機関は再開、宗教施設も再開。厳しい条件と健康状態確認のもと
・結婚式や葬式などの集まりも特定条件下でOK、最大100人まで
・2020年の選挙もあるため政治活動もOK
・政府は海外でコロナによって動きの取れないガーナ人の退避準備を発表
 4種の退避:帰国費用を支払える人、政府資金で退避する人、困窮者、国外追放された人
 
・5/23にはクエートから230名退避、今日までにラゴス、モーリタニア、トルコ、ワシントンからは退避済み
・中国からは最大の670人以上。UAEからは500名
・国境は閉じているが、ガーナ近隣国からは特別の条件のもとバスで帰る
・制限解除後初の日曜は少数の教会が再開。法に依る健康状態確認のもと、短時間の礼拝をおこなうことに同意した教会のみ
 再開していない教会は安全確保に時間がかかるとのこと
 金曜のモスクについても同様
 
 ガーナの6/7時点の感染報告者9,638名、回復者 3,636名、死者44名、闘病中 5,958名
Ghana coronavirus: 9,638 cases; govt evacuation plans, churches return
https://www.africanews.com/2020/06/08/ghana-coronavirus-operational-guidelines-for-churches-mosques-issued/
このアフリカニュース投稿について。
だいたい毎日、英語のアフリカニュース複数サイトから気になるニュースを1つ選んで
自分で日本語で要約して投稿してます。
ニュース鮮度は良いかと思いますが、翻訳間違いや内容間違いを含んでいる可能性があります。
主に自分のアフリカ情報収集と英語訓練目的で、多少皆さんのアフリカ情報のお役に立てればと思っております。
記事に対するコメント、ご意見、感想お待ちしてます!元記事のURLも貼っているので翻訳に対する指摘も歓迎です!
応援はとても嬉しいです。
Photo by Maksim Shutov on Unsplash

コメント

タイトルとURLをコピーしました