2020年8月1週目のアフリカ最新ニュース:ナイジェリアの女子ICT学校、ハッジ縮小、南ア外来魚食料、ジンバブエ作家逮捕、コロナ死者、ソマリア家畜貿易、タンザナイト長者

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2020/7/29-8/4に取り上げたアフリカ最新ニュースです。
Twitter(@BlueBaobabBar)や
Facebook(https://www.facebook.com/cafebarbluebaobab/)でアフリカ記事をほぼ毎日ひとつ紹介していまして、そのまとめです。
コロナは世界中で再拡大してますが、アフリカでもだいぶ増え、感染者数を追うのも辛くなるのでコロナ周辺の話題をいくつか。
サウジアラビアでメッカ巡礼の季節ですが今年はコロナ拡大防止のため大幅縮小の話、その影響で巡礼者むけの家畜輸出をしているソマリア経済に影響という話。
コロナで行動制限中のジンバブエで、政府抗議活動者でイギリスのブッカー賞にノミネートされたばかりの作家が逮捕された話、
アフリカで感染者が一番多い南アフリカでコロナ死者の数だけリボンを結ぶ教会の話。
良い話では、タンザニアで巨大タンザナイト原石を見つけた方が3つ目のタンザナイトを政府に売却して大金を得た話、ナイジェリアで教育機会が限られている女性向けにICTトレーニングを行い効果が出ている話など。

#アフリカ 596 2020/7/29 【ナイジェリアで女子向けICTトレーニング】

女子が教育を受けることが当たり前ではない地域での教育プログラム。
初めは疑い深かった親たちも、卒業した女子が事業を始めたりするのを見ると受け入れていくそうで、実績の積み重ねですね。
こういう活動があると、世の中は良くなっていくしかないように思えますが、そうでもなさそうなのは規模の問題でしょうか。

・ナイジェリア北部のイスラム教地域では常に宗教と伝統がテーマ
 その中でもカノKano州は強力な伝統と工業の歴史がある古い街
 
・貧困とインフラ不足でユニセフは半数の女子は学校に行っていないと指摘
  経済格差、社会文化、女子が教育を受ける習慣がないなど様々な要因
  
・そこでLIFEプログラムという女子向けの情報通信技術ICTのトレーニングセンターが出来た
・目的は、労働市場で優位になること、自己肯定感を高めること
・ナイジェリアに3か所あるセンターのうち、新しいのは2016年設立のカノ州のDakataLife
 →多くの修了生は自分でビジネスを始めている
 
・女子学生を集めるのは困難も「この地域は女児には教育不要と思っている」
 ->親や保護者への働きかけで女子学生増加
「最初は心配して何を教えるつもりだと聞いていたが、実際にここを終了してビジネスを始める女性がいて、その親は誇りに感じている」
・女子はオンラインで狙われやすいので、マイクロソフトのオフィスとデジタルセキュリティのワークショップもある
プログラミングのブートキャンプも計画していたがコロナで延期
・2017年の実績では10人が職を得、15人が事業を始め、8人がインターン、5人が進学
DakataLIFE: Girl-focused ICT training program in Kano, Nigeria
https://www.africanews.com/2020/07/28/dakatalife-girl-focused-ict-training-program-in-kano-nigeria/

#アフリカ 597 2020/7/30 【コロナでハッジ巡礼は劇的に縮小】

コロナで今年のイスラム教巡礼を縮小という話。
年齢制限やPCR陰性などで参加者を絞り(選考からもれたひとからは超クレームも)、救急車も待機などかなりタイトな対応取ってるようです。
経済的にも収益減で大打撃。
記事内のTwitter写真だと巡礼者がカラフルな傘を差してるのですが、ソーシャルディスタンス対策かしら?いいアイディアかも。
(夏はマスクよりも全員日傘を差すようにという方針の方が良いような)

・サウジアラビアの聖なる都市メッカはハッジ巡礼の目的地
  健康なイスラム教徒であれば一生に一度は行くべき場所。5日かけて宗教儀式を行う
・今年はコロナ感染拡大を防ぐため、サウジ居住の1万人は参加可能
 昨年は世界から250万人が参加したのと比べると激減
 
・サウジ外の希望者はネットでの選考を経て、全体の参加者の70%。30%はサウジ居住者
  ->選考からもれた人々からはネットでクレームの嵐
   ハッジ担当大臣は選考は透明性があったと主張。基本的には健康状態で選考
   基準は20歳から50歳でPCR検査が陰性、慢性疾患のない人
・ハッジ参加者は体温チェックとメッカ入り時の隔離がある
・移動式クリニックと救急車も待機
・通常は世界的なメディアイベントでもあるが、今年は外国人記者も締め出し
・サウジは石油価格低下による経済の落ち込みに苦しんでいるが、このハッジ縮小で追い打ち
・ハッジ関係の多くのビジネスにも影響 旅行業者や通りの小売店、土産物店など
・ハッジや年間の巡礼者で通常は120億ドル(1.2兆円)の収益
The Hajj Dramatically Downsized by COVID-19
https://www.africanews.com/2020/07/29/the-hajj-dramatically-downsized-by-covid-19/

#アフリカ 598 2020/7/31 【南ア 繁殖しすぎた魚をロックダウン中の食糧に】

南アの湖で外来種のコイが増えすぎて生態系を壊すので、駆除して食料として配給するという話。
丸々と太った立派なコイの姿に、人間はこんなにコロナで苦しんでいるのにコイはスゴイ、という感慨がw
どこでも強すぎる外来種がいるんですね

・南アフリカのGroenvlei湖ではコイが沢山
 1800年代に持ち込まれたが増殖しすぎて湖の生態系を脅かす存在に
 ->CapeNature従業員はコイ削減に取り組む
 「生態系を守るためにコイを駆除し、地域の人にあげる」
 
・以前は肥料にしていたが、観光業で暮らす近隣の住民の食糧としてあげることに
  コロナで産業は壊滅的なため
  
・住民「助かります。ロックダウンで生活が厳しいので」
・一日250人に支給「コイ自体は良いものです。人が食べるのにも適していて、住民も好んでいます」
・コイ駆除にはもっとソーシャルプロジェクトが必要
・南アはロックダウン5か月目。アフリカで一番感染者が多い
South Africa: Invasive fish become lockdown food
https://www.africanews.com/2020/07/30/south-africa-invasive-fish-become-lockdown-food/

#アフリカ 599 2020/8/1 【ブッカー賞ノミネートのDangarembga氏がジンバブエで逮捕】

コロナの制約下で抗議運動が禁止されているジンバブエで有名な作家も逮捕されたそう。
ニュースタイトルを見て、ブッカー賞って海外作品も対象なんだ?というのが気になった理由ですが、
日本語wikiを見たら、英国・アイルランド・米国籍の英語作品が対象なようですね。ということはこの方は英国籍なのかな?
ケンブリッジで教育を受けて、フェミニズム活動もしているようです
国籍縛りとか、○○人縛りというのも今後は消えていくものかなと思いますね。なんかもう不自然に感じます。
ブッカー賞のサイトはこちら
https://thebookerprizes.com/books/mournable-body-by-tsitsi-dangarembga

・今年のブッカー賞ノミネートのTsitsi Dangarembga氏(61歳)らがジンバブエの首都ハラレで逮捕された
 政府抗議運動のため
 
・野党と市民運動組織は政府の汚職やインフレ率700%という経済危機へ抗議
 Mnangagwa大統領は政府転覆のたくらみだとして野党を非難
 
・著名ジャーナリストのHopewell Chin’ono氏も先週逮捕されている
  Chin’ono氏はコロナ支援物資を含む数百億ドルのスキャンダルを告発。保健大臣はそれにより解雇
・コロナによる制限により抗議活動は禁止されている
・作家で映画監督のDangarembga氏は白人支配時代のジンバブエ生まれ
 2歳で両親と英国に移住。独立前の1980年にジンバブエに戻った
 初の小説Nervous Conditionsは1989年にコモンウェルス作家賞のアフリカ部門を受賞
 1993年にはジンバブエで一番成功した映画Neriaなど
 最新作This Mournable Bodyは今週初めにブッカー賞ノミネートが発表されている
 Nervous Conditionsの続編で「一人の少女と未熟な国の希望と可能性、そして希望が無くなった後の生活を発見する旅」を描く
Tsitsi Dangarembga – Booker Prize nominee arrested in Zimbabwe
https://www.bbc.com/news/world-africa-53587651
・フェミニズムの人
・1988年の小説で世界的名声。少女が貧困から逃げ、教育機会を得ようと苦闘する話
・昨年のブッカー賞はナイジェリア人作家のBernardine Evaristoが受賞
Zimbabwean author Tsitsi Dangarembga arrested in Harare protest
https://www.africanews.com/2020/07/31/zimbabwean-author-tsitsi-dangarembga-arrested-in-harare-protest/
・ケンブリッジで教育を受けた
・コモンウェルス作家賞を受賞したジンバブエ唯一の女性作家
Zimbabwe’s MDC Spokeswoman and Celebrated Author Both Arrested
https://www.africanews.com/2020/08/01/zimbabwe-s-mdc-spokeswoman-and-celebrated-author-both-arrested/

#アフリカ 600 2020/8/2 【コロナの死者を悼みリボンを結ぶ】

南アの教会で、コロナで亡くなった人の数だけ白いリボンを結んでいるという話。悲しみの表現であり、忘れないようにと。
急死した身内に会いたいという話を聞く機会があって、日本には恐山があるなと思いだして恐山の本を読んだりしてますが、死者と残された人との折り合いを付ける方法ですよね。お盆ももうすぐですね。

・南アフリカの教会では国内のコロナによる死者を悼み、ヨハネスの教会のフェンスに
 毎日の死者の数だけ白いリボンを結んでいる
  
・毎朝協会関係者がカゴに入れたリボンをフェンスに結ぶ
  フェンスはすでに白い壁のよう。それぞれのリボンの一つ一つがコロナで亡くなった8千人を表す
・「痛みと苦しみを視覚的に表現したいのです。そしてリアルな出来事を人々に忘れないでほしいのです」
・アフリカのコロナ感染者の半分は南アフリカで、現在50万人を超えた
South Africa: Ribbons to remember COVID-19 victims
https://www.africanews.com/2020/07/31/south-africa-ribbons-to-remember-covid-19-victims/

#アフリカ 601 2020/8/3 【ソマリアの家畜貿易 ハッジ縮小で打撃】

コロナでイスラム教徒のメッカ巡礼Hajjが縮小されてますが、周辺経済にも大打撃という話。ソマリアで巡礼者向けにサウジに輸出していた家畜が今年は需要減できついよう。
写真のラクダはかわいいのですが、影響はあちこちに広がりますよね。。

・イスラム教徒がメッカ巡礼をするタイミングでの祝福のHajj
 通常はソマリの家畜生産者・貿易商は何百万匹もの家畜をサウジへ輸出して
 巡礼者に売る
・今年はコロナのためハッジは縮小され、ソマリ経済に打撃
・「今年は例年と異なり、コロナのせいでヤギの価格がひどく下がっている。
アラーのお陰でサウジはたくさんのヤギを輸入していたし、地元NGOは必要な人に食料配給をしていた。
でもすべてウィルスのせいで止まっている」
 
・今年のハッジは国内の1万人の巡礼者になる見込み。通年は200万人、ほとんどが外国人
・サウジはソマリアの年間家畜輸出の2/3を占める
  500万匹の羊、ヤギ、ラクダなどがソマリ北部からAden湾、紅海を通ってサウジに運ばれる
・今年の輸出は例年の半分の見込み
・地元市場では需要低下による価格低下 ラクダは500ドル、例年の半値
・「この地方では家畜の売り上げは家庭収入の6割を占める。非常に打撃」
 「ソマリアの輸出収益の3/4は家畜で、ソマリ経済の生命線」
Downsized Hajj Hurts Somalia’s Livestock Trade
https://www.africanews.com/2020/08/01/downsized-hajj-hurts-somalia-s-livestock-trade/

#アフリカ 602 2020/8/4 【タンザナイト 3つ目の原石で大金】

6月に巨大タンザナイト2つを発掘・売却した方が3つ目の6キロのタンザナイトでまた大金を得たそうです。
政府への売却は透明性があって良いと同業者に勧めてますが、こういうお金の周辺では黒い話も沢山ありそうですね。
日本でいま一攫千金を狙うなら千葉に落ちた隕石探しですかねw お金になるのかは分かりませんが。

・6月に2つの大きなタンザナイトを340万ドル(3.4億円)で売り一晩で大金持ちになった小規模鉱夫Lazier氏が
 もう一つを200万ドルで売った
 
・3つ目の石は6.3キロ
・タンザナイトは北部タンザニアのみに存在
・希少な原石で今後20年で採り尽くされるとされる
・様々な色合いがあり、希少さによって価格が付く
・Lazier氏は小規模鉱夫たちに対し「政府に売るということは透明性がある」と政府との協業を勧める
・一般に鉱山主からの支払い遅延などが鉱夫らの不満
・6月に売ったのは9.2キロと5.8キロの石
・30人以上の子供がいるLazier氏は、これら資金で学校と健康施設をコミュニティに作ると語る
・小規模鉱夫は政府のライセンスを得てタンザナイトを掘るが
 大手企業所有の鉱山付近では違法発掘が多い
 
・2017年にはマグフリ大統領が24キロに渡る壁を軍隊に作らせ、鉱山部門の政府収益は上がっている
Tanzanite: Tanzanian miner earns millions after second rare find
https://www.bbc.com/news/world-africa-53642490
このアフリカニュース投稿について。
だいたい毎日、英語のアフリカニュース複数サイトから気になるニュースを1つ選んで
自分で日本語で要約して投稿してます。
ニュース鮮度は良いかと思いますが、翻訳間違いや内容間違いを含んでいる可能性があります。
主に自分のアフリカ情報収集と英語訓練目的で、多少皆さんのアフリカ情報のお役に立てればと思っております。
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Photo by Maksim Shutov on Unsplash

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