2020年8月5週目のアフリカ最新ニュース:エジプトのジャスミン花、ナイルダム紛争、アフリカ銀行再選、マリとロシア、バンクシー、アンゴラの小児愛者、若手アフリカ社会起業家

この記事は約10分で読めます。

2020/8/26-9/1に取り上げたアフリカ最新ニュースです。
Twitter(@BlueBaobabBar)や
Facebook(https://www.facebook.com/cafebarbluebaobab/)でアフリカ記事をほぼ毎日ひとつ紹介していまして、そのまとめです。
この週は様々な話題でした。
エジプトはジャスミン花の産地という話、スーダンとエチオピアがナイル川紛争解決に前向きな話、アフリカ開発銀行総裁が再選した話、マリのクーデターとロシアの関わりの話、地中海でバンクシーの移民船がスタックしてる話、アンゴラの小児愛者を調査した話、若手アフリカ社会起業家25名の話など。

#アフリカ 624 2020/8/26 【エジプトのジャスミン花の輸出】

ジャスミン茶は中国のイメージがありましたが、ジャスミンオイルはエジプトとインドが産地のようです。
動画を見るに手でピッキングするようですね。白くて綺麗ですが大変そう。コロナで需要も低下のようです。

・エジプトのガルビーヤ地域の香水用ジャスミンオイルは世界供給の半分を占める
・エジプトとインドはジャスミン抽出油の生産国で世界の95%
・インドの低生産コストが価格引き下げにつながるとエジプト農家は不満
・「インドやチュニジアがライバル。エジプトは品質で勝負」by エジプトのオイル工場
・エジプトでは年間650万ドルの輸出規模、5万人の雇用
・工場主は1960年代にフランス香水の発祥の地コート・ダジュールを訪れて、ジャスミン工場を思いついた
・「いまでは毎日20トンのジャスミン花を摘んでいます」
・ガルビーヤ地域に400ヘクタールの農場があり、年間5トンの濃縮ジャスミンペーストを生産
・コロナによる経済危機で需要は低下しており、状況は一層厳しい
Egypt’s trade in fragrant jasmine flowers on the hike
https://www.africanews.com/2020/08/25/egypt-s-trade-in-fragrant-jasmine-flowers-on-the-hike/

#アフリカ 625 2020/8/27 【スーダンとエチオピアはナイルダム紛争解決にむけ全力を尽くすと誓う】

ずっと揉めてきてるナイル川ダムですが、アビーさんとハムドクさんのポジティブな宣言。そろそろ決着させるんでしょうか。
写真右のスーダンのハムドク首相は経済学者の方ですね。左はエチオピアのアビー首相。
ナイル川って世界最長なんでしたね。白ナイルと青ナイルって詩的な表現と思いましたが、白ナイルは灰色に濁ってるからとか。

・スーダンのハムドクHamdok首相とエチオピアのアビー首相は
 アジスアベバの巨大なナイル川ダムを巡る紛争解決を誓った
 
・エジプトとスーダンは、エチオピアルネサンスダムを水供給への脅威と見ている
 上流のエチオピアではダムは経済開発と電力に重要
・「平和と開発に注力し、2国間、そして近隣国でウィンーウィンになる解決策を話合う」by アビー首相
・ハムドク首相は来月ダムを訪問する
・ナイル川は世界最長の川で、水と電力を川沿いの10か国に提供している
・支流の白ナイルと青ナイルはスーダンの首都ハルツームで合流し、北のエジプトを通り地中海に流れ込む
・短期的には降水量の多いナイル川貯水エリアでは水不足の懸念は緩和されている
・スーダンはこの数週間酷い洪水が起き、火曜には青ナイルの水位は過去最高となり、この先数日はより上昇が予測されている
Sudan, Ethiopia vow ‘all efforts’ to resolve Nile dam dispute
https://www.africanews.com/2020/08/26/sudan-ethiopia-vow-all-efforts-to-resolve-nile-dam-dispute/

#アフリカ 626 2020/8/28 【アフリカ銀行総裁は満場一致で再選】

安倍首相退任のニュースが出てますが、
そういえば副総理の麻生さんはアフリカで働いていたことがあるとか。
家業のダイアモンド採掘でシエラレオネに2年いたとか、ホントか分かりませんが。それでアフリカつながりと思って麻生さんに手紙送ったことがあるんですが返信なしでした(笑)
そんなことを思い出しましたが、アフリカ開発銀行は総裁が再選したそう。汚職やら贔屓だとかの内部告発で一時期ゴタゴタしてましたが、対抗馬もいなかったようで再任とのこと。
お金も沢山集めたようですし、力のある人なんでしょうね

・前のナイジェリア農業大臣であるアキンウミ・アデシナAkinwumi Adesina氏60歳が
アフリカ開発銀行AfDBの総裁の座に満場一致で再選
・2期目5年を務める
・選挙前の数か月は汚職とひいきでの告発があり
 内部倫理委員会の内部調査を受けていた
・AfDBはそれでもトリプルAの評価を維持
・アデシナ氏は農家出身、2015年から現職
・AfDBは世界でトップ5の多国籍融資組織だが、経済開発ではあまり知られていない
 昨年10月には1150億ドルの資金確約をとりつけ、資本金を倍にさせたことで注目を集めた
・設立56年になるAfDBは今年アフリカはコロナの不況によりGDPで1730億ドルを失い、2021年は2360億ドルを失うと試算
 4月には100億ドル上限のコロナファンド機構を立ち上げ
Adesina Unanimously Reelected AfDB President
https://www.africanews.com/2020/08/27/adesina-unanimously-reelected-afdb-president/

#アフリカ 627 2020/8/29 【マリのクーデターの背後にロシア?】

西アフリカといえば背後にフランス!と思ってましたが、ロシアが出てきましたw
マリのクーデターの背後にロシアが?という噂ですが、具体的な証拠があるわけでもなさそう。
アフリカの軍隊高官らはロシア、アメリカ、ドイツなど外国で軍事訓練を受けて優秀になるのでクーデターも起こしやすいとか、
アフリカの背後で欧米諸国vsロシアの勢力争いがあるとか、
ロシアの武器輸出先としてアフリカが重要になってるとか、興味深い記事。

・マリの暫定政府リーダーはロシアで訓練を受け、ロシア政府とつながりがあるとの話
 一方アメリカはマリとの軍事的つながりを停止
・陸軍大佐Malick DiawとSadio Camaraはロシアで一年を過ごし、モスクワの上級軍事大学にいた
・G5サヘル(モーリタニア、チャド、ブルキナ、マリ、ニジェール)のうち4か国はロシアとの防衛協定に調印
・その他アメリカ、ドイツでも訓練を受けている
・多くのアフリカ軍事上官らは外国でトレーニングを受けており、その効果が逆にクーデターのリーダーの素質として機能することも
・マリとロシアの関係は1960年代のマリ独立時まで遡る
・「マリ国民はマリから外国軍に出ていくよう要求し、ロシアに戻ってきて欲しいと考えた」
・ロシアは近年アフリカで勢力を拡大、アフリカとの経済的軍事的つながりを強める
 一つはロシアが西欧諸国と競うため。ロシアが力を持つほど西欧の影響力は低下する
 
・過去10年でロシアのアフリカへの武器輸出先は16%に上る(エジプト除く)
 通常の貿易は西欧や中国が占めていてロシアが入り込むのは難しい
 よって軍事面の支援でロシアは優位にたつ(資源にも興味あり)
Was Russia Behind the Coup in Mali?
https://allafrica.com/stories/202008270025.html

#アフリカ 628 2020/8/30 【地中海でバンクシーの移民救出船が緊急要請】

日本でも報道されてましたが、バンクシーの移民船がスタックしてる話。
お金があって良いことをしようとしてもすんなり行かないものですね。

・バンクシーが出資している移民救済船が200名を載せて地中海で立ち往生して救助要請
・8月18日にスペインの港を出て、最初89人の移民を救出、それからライフボートの130人が救出された
・デッキは過密状態
・たった10名のクルーは船の操縦が出来ない状態
 ->イタリアとマルタ当局は救助要請を無視しているとクルーらは避難
・船はアーティストのバンクシーが出資し、彼のアート作品が飾られている
・船長31メートル、ドイツ船籍
Banksy-funded migrants rescue boat calls for urgent help in Mediterranean Sea
http://www.africanews.com/2020/08/29/banksy-funded-migrants-rescue-boat-calls-for-urgent-help-in-mediterranean-sea/

#アフリカ 629 2020/8/31 【アンゴラで小児愛者増加 心理学者が語る】

アンゴラで心理学者の人が小児愛犯罪者の調査をした結果から。
日本のTwitterでも昨日だったか小児愛者がトレンドに入ってましたが、こういうのは世界共通のかしらと思いましたが、
アンゴラでは秘術やオカルトの影響だと言い訳するとのことでそんなところに地域性が。

・アンゴラでは児童に対する性犯罪が増加しており、被害者は2歳から
・心理学者のPanzoさんはアンゴラの3つの地区の9つの刑務所で1年に渡り調査し書籍にまとめた
 ・犯罪者はたいてい被害者の身近な人間で兄弟、親、義父、叔父など親族
動機は様々だが大抵は性的満足のため。通常は繰り返し、強迫的な行動をとる
 ・犯罪者は魔術やオカルトの力によるものだと責任逃れの言い訳をする
Psychologist Says Pedophilia Cases in Angola Is On The Rise
http://www.africanews.com/2020/08/31/psychologist-says-pedophilia-cases-in-angola-is-on-the-rise/

#アフリカ 630 2020/9/1 【次世代の25名のアフリカ社会起業家】

スーダンの歴史的平和協定の話や、爆発後のベイルートで窓ガラスやアルミが高騰してる話も気になりましたが
今日は25名のアフリカ社会起業家が選出されたという話を。
みなさん優秀な大学生のようですが、その人達がどういうアフリカの課題をキャッチしているのかが見えて興味深いです。
小規模農家の生産性とマーケットへのアクセスという農業系と、
難民、女性、アカデミック界での黒人女性など弱い立場の人達へのサポートとして教育やメンターなどを提供する系と2タイプに分かれているよう。

・「2020年ソーシャルベンチャーチャレンジの決意」プログラムで選ばれた25人13組の若きアフリカ人社会起業家
 ->シードのファンディング、メンターシップ、世界的チェンジメーカーらのネットワークへのアクセスが与えられる
・参加者はソマリア、ガーナ、ザンビア、マラウィ、ケニア、ルワンダ、タンザニア、ウガンダなどから
・選ばれたのは以下の人々など
 ・「難民に手をA Hand for a Refugee」by ウガンダのマケレレ大学の3人
  難民への生活保障を高め、持続性のある支援を目的とするもの。パッションフルーツ農場や育てた果物の市場についてのトレーニング、貯蓄などの金融知識の教育など
  
 ・「アグリケアAgricare」by ガーナの科学技術大学の3人
  農業生産性を上げるために農家に農業技術トレーニングとメンターシップを提供。生姜農家へ
  
 ・「アグリデザートAgriDesert」by コスタリカのEarth大学から
  ソマリランドの半砂漠地帯の農業収穫量改善に向けて伝統的な家畜依存のコミュニティ対して地元素材のグリーンハウスやトマト栽培のデモンストレーション農業を作って紹介
   
 その他、小規模農家向けのオンライン販売プラットフォーム、栄養教育、学校をドロップアウトした10代の母親への職業教育、
 モバイル&リアルの図書館で識字や英語理解のための読書教育、農家と市場の情報交換用モバイルアプリ、
 若者向けの無料のサービス(本、メンター、職業訓練)、学校中退を減らしアカデミックな業績を上げるためのサービス、
 実験用ラットの飼育販売の女性向け訓練、若い黒人女性がアカデミック界で成功するためのオンラインプラットフォーム&コミュニティ、小規模農家向けにコスト削減&土壌改善のための炭素肥料導入など
25 Next-Generation African Leaders Announced as Winners of the Resolution Social Venture Challenge
https://allafrica.com/stories/202008310713.html
このアフリカニュース投稿について。
だいたい毎日、英語のアフリカニュース複数サイトから気になるニュースを1つ選んで
自分で日本語で要約して投稿してます。
ニュース鮮度は良いかと思いますが、翻訳間違いや内容間違いを含んでいる可能性があります。
主に自分のアフリカ情報収集と英語訓練目的で、多少皆さんのアフリカ情報のお役に立てればと思っております。
記事に対するコメント、ご意見、感想お待ちしてます!元記事のURLも貼っているので翻訳に対する指摘も歓迎です!
応援はとても嬉しいです。
Photo by Maksim Shutov on Unsplash

コメント

タイトルとURLをコピーしました