今日のアフリカニュース◆黒人の歴史は今後どうなる?◆「ダカールの黒人文化博物館は彼らの歴史を取り戻すための大きな一歩」 2019年1月26日:アフリカ最新ニュース

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ダカールの黒人文化博物館は彼らの歴史を取り戻すための大きな一歩だ
Dakar’s Museum of Black Civilizations is a vital step for a people reclaiming their history

セネガルの経済学者 フェルウェイ サーFelwine Sarrとフランス歴史家のベネディクト サボイ Bénédicte Savoyによる
奪われたアフリカの財産取り戻そうという論文が発表され、
パリやロンドン美術館のの美術史家やアフリカ主要都市の文化界で大きな議論を巻き起こした。
フランス博物館には9万を超えるアフリカ美術品があり、ヨーロッパ中に数千もの美術品が散らばる。
議論は、アフリカはそれらを貸し付けているべきなのか、その財宝を守る能力や興味があるのか、という点だ。
そんな中、最近オープンしたセネガルの首都ダカールの黒人文化博物館はタイムリーな話題だ。
1.4万平方メートルもの巨大複合施設は4階建てで、南セネガルのカサマンズ地方の家の中庭とジンバブエ王国をイメージした建築だ。
来館者は最初に大きなバオバブの木の彫刻を目にする。
バオバブは1000年から2500年もの樹齢になり、300通りもの使い道がある木で、セネガルでは文化的にも精神的、歴史的にも重要なものだ。
この黒人文化博物館がダカールに出来たのは偶然ではない。ダカールにはアートが息づいている。
建国の父で、この構想の発案者であるレオパルド セダー サンゴールLéopold Sédar Senghorは詩人であり、アフリカの思想家だ。
黒人としての意識を持つ文学運動は1930年代にアフリカに広がるフランス語圏の知識人や政治家を中心に発展した。
サンゴールはその中心人物で、ゆえにダカールはアフリカにおける活動拠点として最適だ。
開館から1か月で、毎日5-600人の来館者が訪れる。700点の展示物でスタートし、現在は1300点、2019年末には
4-5千の展示になる予定だ。1万8千点の展示まで可能。今月までは入場無料でその後3ドルほどになる予定だ。
現在は4つのセクションがある。アフリカ大陸中から集めた頭蓋骨、仮面の歴史とイスラムとキリスト教、
黒人意識の目覚め、アフリカ人・アメリカ人・カリブ海エリアの黒人の現代アートだ。
「我々の文化品を盗んだ者たちは、我々がどうするか指示すべきでない。コミュニティがそれを聖なる森に戻すべきだと言えば、それは彼らの権利だ」
博物館は黒人文化に対する啓蒙も行う。アフリカが医療、数学、建築の発展に果たした役割や、
セネガルの歴史家で人類学者で物理学者のチク アンタ ディップ Cheikh Anta Diopが行った人類の起源や植民地化以前の文化研究にもフォーカスする。
ディップはホモサピエンス起源がアフリカだと提唱した人物で当時は議論を巻き起こしたが今では受け入れられている説だ。
その他にも世界を変えたアフリカ女性たちに関する展示もある。
黒人意識に関する展示ではマーチンルーサーキングJr.やフレデリックダグラスなども扱われている。
現代アートのエリアでは写真や奴隷貿易のインスタレーションなどもある。
世界中の黒人は自分たちの歴史をアフリカ大陸において見るべきであり、
アフリカ人の歴史は人類の発展の歴史でもある。
この博物館は世界のどこにいようともアフリカ大陸の息子・娘にとって重要なものになるだろう。
Dakar’s Museum of Black Civilizations is a vital step for a people reclaiming their history https://qz.com/africa/1533523/
#アフリカ 040
メモ:サンゴールはセネガルの初代大統領。詩人が大統領っていつも驚く。
最後は黒人に対するメッセージに読めたが、世界全般に対してではないのか、というのがちょと意外。黒人と言っても一枚岩ではだろうし、それはそうか。

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