2019年4月1週目のアフリカ最新ニュース:エリトリア系米人ラッパーの死から中韓国違法漁業、FIFAランクのセネガル、宗主国ベルギー謝罪、音楽配信Boomplay調達、ガーナ仏語、貸付アプリBranch大型調達まで

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2019年4/3-4/9に取り上げたアフリカ最新ニュースです。
Twitter(@BlueBaobabBar)でアフリカ記事をほぼ毎日ひとつ紹介していまして、そのまとめです。

#アフリカ 105 2019/4/3 「エリトリア系アメリカ人ラッパー ニプシー ハッソルNipsey Hussleの死をアフリカは悼む」

エリトリア系ラッパーが撃たれて亡くなった事件。
銃が悪いのか、ギャングが悪いのか(犯人はギャングだったという別の報道あり)、明るい側 Bright sideへ行った人への妬み・妨害なのか、辛いなあという事件。

エリトリア人やアフリカ人は月曜にSNSで彼の死を悼んだ。週末に彼は米国ロサンゼルスで撃たれて亡くなった。
地元の報道によると33歳のハッソルは彼の洋服屋の前で日曜午後に至近距離から撃たれた。犯人は車で逃亡。
グラミー賞にもノミネートされた彼の死にラッパーや地元コミュニティのセレブたちはショックを受けている。
本名Ermias Asghedomでエリトリア人移民。アフリカ系アメリカ人の母を持つ彼は
自身のエリトリアルーツについてよく語っていた。
アフリカではエリトリア情報大臣が彼の死を悼み、昨年Hussleが父、兄弟と当地を訪れた時のインタビューを公開した。
エリトリア人であることの意味は?と問われると
「母国の歴史、苦しんできた犠牲者の物語、人々の強さと誠実さに誇りを感じる」と答えていた。
Nipseyという彼の名はエリトリアのTigrigna語から来ている。自分、仲間、というような意味だ。
若い頃はロスのギャングカルチャーの中にいたが、死の数時間前に「手ごわい敵がいることは恵みだ」とツイートしている。
彼の “Victory Lap”は今年のグラミー賞でベストラップにノミネートされた。初めての公式アルバムだった。
彼はロスコミュニティの支えであり、収入は彼自身の出身でもある暴力に苦しむ近隣に再分配してきた。
黒人住民のために南カリフォルニアの地区を取り戻すプロジェクトにも参加していた。
南カリフォルニアの若者たちのための地域コミュニティを作るヴィジョンを持っていたという。
「影の人生から、自由とコミュニティ復興という明るい希望の側に彼は移ったんだ」
悪名高いギャンググループCrips gangに居た若いころについて2018年にロサンゼルスタイムスにこう語っている。
「死と殺人と共にあった。戦争地帯に住んでいるようなものだった。街角では人が死に、皆それに慣れてしまっていた。
そういうのをPTS(D)っていうんだろう。長い事戦争に行っていた人みたいに。」
Africa mourns fallen Eritrean-American rapper Nipsey Hussle
https://www.africanews.com/2019/04/02/africa-mourns-fallen-eritrean-american-rapper-nipsey-hussle/

#アフリカ 106 2019/4/4 「シエラリオネ 4月の漁業・輸出を禁止」

中国、韓国の違法乱獲による漁業資源を守るため、一ヶ月の漁業・輸出停止とのこと。
先日BBCの違法中国漁船と政府に突撃取材するニュース動画を紹介してもらったけれど、あれがキッカケなのか、問題意識が高まっていたのか。
BBCのはこちら:https://www.bbc.com/news/av/world-africa-47698314/is-china-s-fishing-fleet-taking-all-of-west-africa-s-fish?SThisFB&fbclid=IwAR3HuLHDMn2-DDQieEGufWGtLYFD15hqPkezm-nk-SCwYIfadC2mpz2-iNc
とりあえずは良いと思うが、地元漁師は困りそう。

漁場の枯渇を防ぐために4月中の領海内での漁業と大手魚類会社の輸出を禁止する、
またその間は魚は冷蔵室に保管しておくようにと漁業大臣が発表した。
モーリタニア、セネガル、ガンビア、ギニアビサウ、ギニア、シエラリオネの西アフリカ諸国は
2010年から2016年の間に違法漁業と密漁により23億ドルもの損失を出している。
シエラリオネの沿岸地域は生活の糧を漁業に頼っている。
「禁止は歓迎だが、合法で公平で持続可能な漁業管理の導入が時間がかかるが答えだ。
監視船と取り締まりでシエラリオネを手助けしようとしている」と環境組織のトップは言う。
シエラリオネの漁業団体によると中国と韓国が漁業資源を破壊しているという。
「さんざん要請していましたが、ようやく政府が漁業期間の閉鎖を宣言してくれて喜んでいます。
中国と韓国漁船は私たちの網を破り、魚を採り尽くしています。監視船でこの禁止令を効果的に実行するよう政府に要請しています」
ブリティッシュコロンビア大やカリフォルニア大学のプロジェクトによると
シオラリオネでは外国漁船の水揚げ量の30%が違法だと言う。
過去10年で違法外国漁船の違法行為は増えており、自分たちでやるケースと小規模な漁師グループをそそのかして取らせるケースがある。
開発援助の中止に伴う監視活動の減少によって、無免許操業は増え、2015年には4万トンもの違法漁業があったという。
シエラリオネの大手中国漁業会社はコメントしていない。
No fishing, no exporting in April: Sierra Leone authorities enforce ban
https://www.africanews.com/2019/04/02/no-fishing-no-exporting-in-april-sierra-leone-authorities-enforce-ban/

#アフリカ 107 2019/4/5 「FIFAランキング:アフリカのトップはセネガル」

昨日4月4日はセネガルの独立記念日で、現地ではパレードが華やかだったようです。
Bonne fete d’Indeendance!
でFIFAランキングの話ですが、この写真www
もっとカッコイイの沢山あるでしょうにw

セネガルのサッカーチーム、テランガ ライオンズTeranga Lionsは2019年3月最新のFIFA/コカ・コーラランキングによるとアフリカのトップだった。
4月4日発表のランキングによるとセネガルは23位でイランとアメリカにはさまれている。
チームは1515ポイントで前回ランクより一つ動いた。
チュニジア、ナイジェリア、モロッコ、コンゴ民主がアフリカトップ5。
3月に大きく動いたのはタンザニアで6つ上がって131位。
アフリカトップ10
Senegal セネガル
Tunisia チュニジア
Nigeria ナイジェリア
Morocco モロッコ
Democratic Republic of Congo コンゴ民主共和国
Ghana ガーナ
Cameroon カメルーン
Egypt エジプト
Burkina Faso ブルキナファソ
Mali マリ
期間中世界で150試合行われたが、トップ3は変動なし。
1位のベルギー、2018年のワールドカップ優勝国のフランスが2位、3位ブラジル。
イングランドは1つ上がって4位、クロアチアは一つ下げて5位。
46位コンゴ民主が5つアップ、49位ガーナは3つアップ、
コソボは3つアップの127位で着実にランクを上げている。
FIFA Ranking: Senegal tops Africa, Belgium bosses the world
https://www.africanews.com/2019/04/04/fifa-ranking-senegal-tops-africa-belgium-bosses-the-world/

#アフリカ 108 2019/4/6 ◆「ベルギーは植民地時代のミックスの子供達を連れ去ったことを謝罪」

詫びてる雰囲気ではない写真なのは意図的なのかしら?
謝るんだ、という軽い驚きと、他の宗主国も謝ってないなら謝った方がいいんじゃない?という思いも。
教会も謝罪してるって、ベルギー国内でどういう運動と流れがあったのか気になる。
名著「ルワンダ銀行総裁日記」(服部正也)で現地の横柄で無能なベルギー人達の記述があったなと思い出したり。

ベルギーのミカエル首相は植民地時代にブルンジ、コンゴ民主、ルワンダからミックスの子供達を連れ去っていたことを正式に謝罪した。差別、人種差別主義、外国人拒絶と国として戦うとも語った。
1940、50年代にミックスの人種として生まれた子供達は強制的に母親から引き離され、ベルギーにつれてこられ
教会などの施設で育てられた。
ベルギー国会で首相は、国は子供達の基本的人権を侵害し、植民地システムへの脅威とみなしていたことにも言及した。
「連邦政府の代表として、彼らが受けてきた不当な仕打ちを謝罪するとともに、子供をとられたアフリカの母親たちに遺憾の意を表明します」
約2万人の子供達が被害を受けたとされる。ほとんどの父親は認知を拒否している。
「植民地時代のアフリカでは、ミックスの人々への分離政策がとられ、基本的人権を尊重しない行動がとられていた。
1962年までベルギー領コンゴ、ルワンダ、ブルンジでの植民地管理下でミックスの人々は犠牲者であり、
脱植民地化の中で誘拐が起きてしまった」
子供達の中にはベルギー国籍が取れず、無国籍状態だった人もいる。
2年前に教会はこの事件での自分たちの役割について謝罪した。
昨年首相は子供達の生物学上の両親を探し、ベルギー国籍を与える手助けをしようと政府に呼び掛けた。
Belgium apologises for abducting-mixed race children during colonial era
https://www.africanews.com/2019/04/05/belgium-apologises-for-abducting-mixed-race-children-during-colonial-era/

#アフリカ 109 2019/4/7 「アフリカ最大の音楽配信サービスBoomplayが2000万ドル調達」

おーなるほどねー、という面白い記事。
なるほどポイントは
●アフリカトップの携帯(中国)にプリインストールすることで、音楽配信サービスでシェア獲得
●アフリカンミュージシャンは個人商店的にやっているので、大手レーベルが無く、配信のための一括全員契約が出来ない
●海賊版横行など音楽にお金を払う概念が無いので、収益化が難しい

ブームプレイBoomplayは2015年に始まってから急速に拡大している音楽配信会社。
投資会社Maison Capital、投資会社Seas CapitalからのシリーズAの投資で2000万ドル調達した。
この資金はアフリカ大陸での勢力拡大、商品の最適化、採用活動に使われる予定だ。
Boomplayは中国ベースのアフリカトップの携帯メーカーTranssion Holdingsと中国のネット会社NetEaseの
子会社で、NetEaseは中国の音楽配信サービスで4億人のユーザーがいる。
フリーミアムモデルのサービスで、広告付きサービスは無料、
広告無しのプレミアムサービスは月額2ドルから4ドルだ。
Boomplayの成長は、大陸で一番売れているTranssionのスマホにプリインストールされていることによって
もたらされている。この戦略で4400万人のアクティブユーザーに到達しそうだ。
(Boomplayのアクティブユーザーの定義は、最初にダウンロードもしくはアカウントを作ってから一度でもログインした人のことだ)
最近ユニバーサルミュージックとワーナーミュージックとのライセンス契約を結んだ後にこの資金調達のニュースとなった。
このライセンス契約で世界のスターの音楽が聴けるようになる。
Boomplayは長期的にはSpothifyやアップルミュージック、 Tidalといった世界的配信サービスに勝ちたいと
国際コンテンツ統合部門のトップ フィル チョイ氏は言う。
SpothifyとYouTube Musicはすでに南アフリカでサービスを開始している。
だがチョイ氏によればアフリカに参入するグローバルサービスはBoomplayが行ってきたように
大きなハードルを乗り越えないといけない。
「ヨーロッパでもどこでも、SpothifyやAppleはUniversalと契約すれば沢山のアーティストの音楽を配信できる。
しかしアフリカでは多くのアーティストは自分だけでやっているか、たった1,2人だけのレーベルだ。
今のところ沢山のアーティストを抱える大きなレーベルは無いので、SpothifyもAppleも沢山の個人アーティストと
それぞれ契約調整するという長い時間が必要になる」
チョイ氏によればBoomplayの長期計画でもあり、SpothifyやAppleにとっての近道はM&Aだという。
ローカルマーケットに入り込むには基本的な問題に取り組まないといけない。
消費者は音楽にお金を払いたくないので、海賊版は根強い。それは多くのアーティストが実際の音楽販売で
利益を得るのが難しいとも言える。
よってアーティストは海賊版や安価なCD、無料DLで自分たちの音楽を広め、
ライブ開催の収益やブランドの支持を得て収入としている。
Boomplayは海賊版を無くす必要性についてアーティストや音楽業界関係者を教育するために音楽専門家と会議を持つ予定だ。
The largest music streaming service in Africa raised $20 million to fight off global rivals
https://qz.com/africa/1588155/

#アフリカ 110 2019/4/8 「ガーナ大統領はフランス語を公用語にしたがっているが支持は得ていない」

旧英国領のガーナがフランス語と英語のバイリンガル国家を目指す話。
仏語→英語なら分かるが逆だったので意外。西アフリカは仏語圏が多いかららしい。
私も停滞してる仏語頑張ろう。。

ガーナは旧英国領でこの100年は英語と強い結び付きがある。
ある程度の教育を受けたガーナ人は現地語の他に英語を話す。
しかし2017年就任のナナ大統領はフランス語教育を進めており第2公用語にしたがっている。
大統領は英国と結び付きの強いガーナの貴族政治界出身で、幼少期は英国で教育を受けたこともあり、英語のアクセントは癖が無く、フランス語推進者になるべき人には見えない。
しかし彼はパリに住んでいたこともありフランス語も流暢だ。
学校でのフランス語教育は重要課題となり、ゴールは現地語と英語仏語のバイリンガル国家を目指す事だという。
フランス大統領マクロンはアフリカでのフランス語話者増加を目指しており、ガーナもそれを支持する。
フランス語は現在世界で5番目の話者人口だが、2050年には7億人の仏語話者の8割がアフリカンになる見込みだ。
ガーナは仏語圏の国に囲まれており、西アフリカ経済同盟エコワスの15国中の8国は仏語だ。
バイリンガルガーナ戦略は経済的メリットがある。
しかし多くの学校では仏語クラスは週一のみで仏語教師も足りない。英語の経済的メリットも多いので親は英語の教育を望む。
植民地の歴史を持つアフリカ各国では国際語教育はセンシティブなテーマだ。しかし近年では仏語ではなく、政治経済的影響力をもつ中国語の教育が話題でケニヤ、ウガンダ、南アでは学校教育に取り込まれた。
一方で現地語は減少しており、この100年で10は消滅したという。
ガーナ現地語の3割は二万人以下の話者で、消滅の危機に瀕している。
Ghana’s president wants to make French a formal language, but it’s not a popular plan
https://qz.com/africa/1588566/

#アフリカ 111 2019/4/9 「1.7億ドルのフィンテック系Branchが資金調達」

お金貸付アプリのBranchが巨額資金調達した話。
Visa、マスターカード、PayPalなど旧世界のカード会社がアフリカフィンテックに出資してる。
・・・
フィンテックっていうと聞こえはいいけど、古い日本人的にはそんなにお金貸しまくるのが良いのだろうかという気はする。
スマホのデータ丸ごと使って信用チェックするのも、必要とはいえ恐ろしい。
・・・
Fintechの次に資金集めてるCleantechは地球環境問題解決系らしい。

最大規模のシリーズCの資金調達で、モバイル貸付アプリ ブランチBranchが1.7億ドルを調達した。
この資金はFoundation CapitalとVisaが主導で、アンデルセン ホロウィッツ、Formation 8、Trinity Venturesも参加する。
1億ドルの貸付と7000万ドルの資本金からなる。
Branch Internationalはケニア、ナイジェリア、タンザニアで300万人のユーザを抱え、インド、メキシコにもユーザーがいる。
GPSデータ、通話記録、電話帳、銀行残高メッセージや支払い証メッセージ等のスマホデータを信用調査に使う。
アフリカでは2ドルから700ドルを68週まで借りることができ、利息はナイジェリア、タンザニアで21%、ケニアで14%までだ。
同様のモデルでの競合はナイジェリア、タンザニアのTala、ナイジェリアのOneFiがあり、
伝統的な銀行システムで信用を得るのはいまだ大きな障害になっている新興国ではユーザにとって魅力的だ。
実際に世銀の2019年のリポートでは、サブサハラでビジネスをする際の10つの課題のうち、信用獲得が2つ目に大きな課題として挙げられている。
ブランチはVisaとの協業もアナウンスしており、モバイルでVisa払い可能な商店には優位な借入期間を提供する見込みだ。
ユーザーは銀行口座やデビットカード無しに仮想の証明書で地元のATMから借り入れたお金を引き出せるようになる。
Visaのバックアップは重要なポイントで、世界的な巨大金融会社が新興国での高成長を見込んでアフリカ向けフィンテックのスタートアップを支持しているということだ。
2018年8月にはStripeとVisaはシリーズAで800万ドルをナイジェリア決済会社Paystackに出資した。
2か月後にはマスターカードがナイジェリアのスタートアップFlutterwaveにシリーズAで2000万ドルの出資に参加した。
前・VisaのCEOはFlutterwaveのボードメンバーとして参画した。
PayPalはケニア、タンザニアのオンライン貸付のTalaを支援している。
このBranchの最新の資金調達は、アフリカで一番投資を集めている分野としてのフィンテック系の評判を固めるものだ。
フィンテックは2017年には全アフリカベンチャー投資の1/3を占め、昨年は一番投資を集めた分野だ。
2918年のアフリカでの分野別投資額
フィンテック 2.8億ドル
クリーンテック 1.4億ドル(地球環境問題解決系)
Eコマース 9700億ドル
エドテック 3200億ドル(教育系)
アグリテック 2000億ドル(農業系)
ヘルスケア 1500億ドル
A $170 million funding round is the latest big-ticket fintech deal in Africa
https://qz.com/africa/1589587/


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