2020年5月2週目のアフリカ最新ニュース:南アBCG治験、ガーナ野口英世研究所、アフリカのコロナ拡大信仰、ガーナテレビ教育、マスクは飾りにあらず、カメルーン・チャドの橋、タンザニアのアボカド

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2020/5/6-5/12に取り上げたアフリカ最新ニュースです。
Twitter(@BlueBaobabBar)や
Facebook(https://www.facebook.com/cafebarbluebaobab/)でアフリカ記事をほぼ毎日ひとつ紹介していまして、そのまとめです。
今週もだいたい新型コロナウイルスの話でして、南アフリカでBCGワクチンの治験が始まった話、ガーナの野口英世医療研究所でコロナ薬の開発研究を進めてて伝統医療にヒントを得ようとしている話、アフリカで絶対コロナ拡大するという信仰に近い言説に対する非難、ガーナで学校休みなのでテレビで遠隔教育をする話、マスクは飾りにあらずと注意喚起するウガンダの大統領など。
コロナ以外ではカメルーン・チャドの間に橋を作る話とタンザニアのアボカド生産が増えているというポジティブな話がありました。

#アフリカ 513 2020/5/6 【南アでBCGワクチンの治験が始まる】

南アでBCGワクチンの治験が始まるそうですが、3千人規模で1年とは大掛かりで時間がかかりますね。
COVID-19を呼吸器系の病気と定義して、結核ワクチンであるBCGの治験を進めるとのこと。
マラリア薬のクロロキンも重傷者にはすでに使われているよう。
日本の死者の少なさはBCGが効いてるんでしょうかねえ
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・結核のワクチンであるBCG(Bacille Calmette-Guerin)のコロナ効果試験が南アで進行中
・500名の医療従事者が参画、Taskという医療研究組織の出資
・治験はケープタウンで参加者3千人、1年間モニターする
 ・250名はすでに注射、別の250人はプラセボで効果を見る
・Diacon教授によると、BCG接種した子供は喘息といった呼吸器系の病気にかかりにくい傾向
・「南アではすべての新生児にBCGを打っている。大人への再ワクチンもこのパンデミックに効くだろう」
・COVID-19は呼吸器の病気で、世界でワクチンと治療の研究が進む
・アフリカでは抗マラリア薬のクロロキンが悪化した場合の治療薬として認められている
・WHOはこれら治験の結果を評価する予定だがBCGワクチンの不足を懸念
South Africa starts trial using TB vaccine against COVID-19
https://www.africanews.com/2020/05/05/south-africa-trial-using-tb-vaccine-against-covid-19/

#アフリカ 514 2020/5/7 【ガーナの医療研究施設でコロナ薬開発中】

ガーナで野口英世の記念医療研究施設にて、コロナ新薬の研究開発中というニュース。
薬草や伝統医療の活用を探っているようですが、マダガスカルのヨモギといい、薬草系が活躍するのはアフリカの特徴でしょうか。欧米医学界でも同じなのか、気になるところです。
野口英世は1928年にガーナで黄熱病で亡くなったそう。100年近く前ですね。100年も前にアフリカに赴くとは、スゴイという感想しかありません
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・ガーナ大学の野口記念医療研究施設は
  ガーナで初の患者が発生した3月12日以来最前線となっている
・ディレクターのAnang教授によるとコロナ薬の開発にガーナは数週間遅れをとっている
 前臨床試験研究の培養システムを作っているところで、8週間かかる
 「この遺伝子配列には別の調査の可能性もある。薬草や伝統的治療をヒントに新薬開発を進めている」
・ほかの機関とも連携して診断プラットフォームを作った
・「前臨床試験に数週間遅れているが、食料・医薬当局の認可を得ているプロダクトであれば
 少し前進しやすくなる」
・ガーナ政府は科学者の採用、支援に資金提供している
「幸いにも国内にはすでに2千人という充分数の感染者がいるので、素材は充分。
 この施設は、例えば米国基準に合致するような高い基準で運営している」
・施設は1979年に日本人科学者野口英世を記念して作られた
 野口は黄熱病研究でガーナに来た一年後、1928年に黄熱病で死去
 同施設は各種疾病の科学試験や医療研究の先端機関の一つ
Ghana’s medical research institute on the forefront of developing drugs for covid-19
https://www.africanews.com/2020/05/06/ghana-s-medical-research-institute-on-the-forefront-of-developing-drugs-for/

#アフリカ 515 2020/5/8 【アフリカのコロナ拡大信仰についての問題】

アフリカなめるな、という話なんですが、
自分が正しいと信じて主張することが
無自覚に上から目線で他者を侮辱してるんだよ
という主張と理解しました。
言ってる側は良かれと思って正義で言ってるから
難しいですけど、そうだよねー気を付けよう、と思いました。。
コロナでアフリカは大量に死ぬと国連等々は主張してますが
今時点では欧米の感染者・死亡者のほうが桁違いに多く、
アフリカはよくやっているというのはそうだと思います。
コロナが収束するまで最終的な判断は出来ませんが、このまま抑えていってもらいたいです。
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・4/10、米国の慈善団体メリンダ・ゲイツはコロナによるアフリカの多くの死者を予測
 ->翌日、米国の死者数はイタリアを超えた
 
・ゲイツや他の人々もアフリカの死者数を懸念していたが
 欧米の方がコロナの死者で溢れている。
 ->アフリカの実情を知らないで彼らは語っている
・4月に国連もアフリカでの死者数を30万から330万人と予測
 ->実情は5月上旬時点で感染者5万人、死者2千人弱とかけ離れている
 
・検査数の少なさを指摘する声もある
 ->ガーナ、セネガル、南ア、モーリシャスなどは検査を強化している
  検査不足と仮定しても、入院患者と死者数も現在特に増えてはいない
->よってアフリカでの大規模死者数予測は不正確
  彼らはアフリカ諸国が何も手を打てないと考えている
  
->しかしアフリカ諸国は感染症との長い闘いの経験がある
 欧米が手にしていないようなノウハウもある
 アフリカの首脳らは欧米と異なり、自国の医療の脆弱さを認識している
->多くのアフリカ諸国は感染予防と過去の経験から積極的に手を打っている
 ウガンダ:スクリーニングとエボラ対策のシステムで対策。
  感染者が出る前からロックダウンに先駆けて渡航制限とソーシャルディスタンス対策
  初の感染報告は3/22、100人の感染者が発生したが死者ゼロ
 
 ルワンダ:1月の時点で委員会を組織し、500人の医療関係者をトレーニング
 セネガル:西アフリカはHIV、エボラ対策の経験から安価なコロナ検査キットを開発し、アフリカの他国へ配布計画
 ナイジェリア:ドライブスルー型検査を導入。感染疑いのある人はオンラインで登録、その後の処置へ
 
 モーリシャス:ロックダウンと大量検査の実施。2週間で人口の10%、10万人を検査
  欧米諸国よりも人口当たりのベッド数を多く確保
 ソマリア:ソマリアに対する固定観念に反し、イタリアへの20名の医師派遣援助を発表
 
・実際、大きな被害が出るアフリカの国もあるだろうが、アフリカ54か国全てを同じものと考え、
 各国の取り組みを無いものと考えるのは間違っている
 
・アフリカ全てが同じだと考えるのは、アフリカは遅れていて機能不全だとする植民地主義に基づく
 植民地主義はアフリカ黒人が哀れみと援助対象だという欺瞞を強化している
・国連やゲイツ財団の見解は、すでに対処しているアフリカ諸国への支援ではなく、
 慈善活動や援助の提供に目を向けさせてしまうのが問題だ
 
・すべての国や文化がそれぞれの専門性や先進性を評価されるべき時期に来ており、
 世界のほかの地域同様、アフリカ各国にも自治があり、複雑で微妙な違いがあることを認識されるべきだ
by Caleb Okereke:ナイジェリアのジャーナリストでウガンダの映画製作者
 & Kelsey Nielsen:アメリカのソーシャルワーカーでウガンダの活動家
 
The problem with predicting coronavirus apocalypse in Africa
https://www.aljazeera.com/indepth/opinion/problem-predicting-coronavirus-apocalypse-africa-200505103847843.html

#アフリカ 516 2020/5/9 【ガーナのマダガスカルオーガニックとテレビ学校スケジュール】

ガーナの状況ですが、学校休みの代わりにテレビで授業を放映するようです。
小学校低学年から高校までカバー、スゴイですね。
科学とか社会(Social Studies)はどういう内容をやるのか興味があります。
また、マダガスカル発のコロナ用オーガニック(ヨモギのドリンク)をガーナFDAで調べてみるよう。
ECOWASは拒否してるようなニュースを見かけましたが、受け入れたりスルーしたり、政治的な意図や社会的影響もあるのですかね。
そのあたり分かりませんが、アフリカ各国や組織が何らかの反応をしてるのが面白いというか、マダガスカルの影響力というか、みんな仲いいのかなとか思ったりw
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・ガーナはマダガスカルのコロナ用オーガニック飲料を受け入れ
  食料・医薬品当局FDAが科学的分析を行う
・教育サービスGESは遠隔教育のタイムテーブルを発表
  コロナによる学校閉鎖の学生用
  ・就学前と低学年Kg-P3:英語と数学
  ・高学年P4-P6:英語、数学、科学
  ・中学校:英語、数学、科学、社会(Social Studies)
  ・高校の必修科目:数学、科学、英語、社会 すでに行われているが、継続
・今週、コロナによる3日間の閣議休みが決定
Ghana coronavirus: Madagascar ‘cure,’ ‘TV school’ timetable
http://www.africanews.com/2020/05/08/coronavirus-updates-from-ghana/

#アフリカ 517 2020/5/10 【マスクは飾りじゃない、正しく着用を ムセベニ大統領】

「マスクは飾りじゃないんだ」と苦言を呈するウガンダのムセベニ大統領ですが、
中森明菜を思い浮かべてしまった方は昭和の人ですw
マスクを首から下げておくだけじゃなくて、ちゃんと装着しなさいとの大統領コメント。
また、降り続く雨でビクトリア湖の水位も過去最高レベルに近づいているよう。増やした水門からの放流で対処するようですがコロナに雨に大変ですね
食糧配給については人が集まってしまうからと今は対応しないそう。
長期政権なので評価の良し悪しはあるでしょうが、いつもちゃんとよく働く大統領だなーと思います。
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・ウガンダのムセベニ大統領は国民へ、外出時は常にマスク着用するよう注意喚起
  コロナの感染拡大を防ぎ、他者への感染を防ぐため
  
・「みなマスクの価値を理解していない。マスクは飾りじゃないんだ。首にかけておくものじゃない。
 外出時は常に口と鼻をマスクで覆うように。喋るときも外さないで。外したその手も感染につながる」
 ビクトリア湖の水位視察時に語った
 
・ウガンダでは現在101名の感染確認、55名回復、死者なし
  うち41名はトラック運転手で、37人が外国人、4人がウガンダ人
  外国人運転手のうち23名はそれぞれの国へ帰された
  
・ビクトリア湖の水位が上がっている問題について、1964年の記録的水位13.41メートルに対し、
 あと0.1メートルで達してしまう
 ->水を流すために2つの放出門を作っており、ダムを保護できると大統領は述べた
 「1964年の際は水で多くが破壊されたが、今回は対処しているので大丈夫。
  当時は1つの水門で毎秒1300平方メートルの水放出しかできなかったが、いまは2つの水門があり、3000平方メートル放出可能だ」
・河岸の住民へは雨が止まないので避難するよう伝えた
・川から500メートル以内は建築禁止という政府の規制を守るよう再度強調
・一部政治家は国民への食糧配給を提案しているが、大統領は感染リスクを高めるものだとしている
「Kitubuluに立ち寄った時にはすぐに人だかりが出来てしまった。
 人気のある政治家が訪れたら、人だかりが出来て感染拡大してしまう」
Wear masks properly, they aren’t for decoration – Museveni
https://www.observer.ug/news/headlines/64691-wear-masks-properly-they-aren-t-for-decoration-museveni

#アフリカ 518 2020/5/11 【カメルーンとチャドをつなぐ橋建築に4300万ドルの支援 アフリカ開発銀行】

カメルーンとチャドをつなぐ、ロゴーン川に橋を架ける話。
内陸ですね。
予算43億円って橋建設の費用として規模感が分かりませんが、たぶん大きな川なんでしょう。
こうやってインフラ投資してアクセスは良くなる方がよさそうですが、
アフターコロナを考えると、アクセスの向上と遮断手段も考える必要が出てくるのかも、と思ったり。
5日ほど前のニュースですが、気になっていたので取り上げてみました。
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・アフリカ開発銀行ADBGはカメルーンとチャドをつなぐため、ロゴーン川Logoneの橋建築に
4346万ドル(約43億円)の支援を決定
・カメルーン側に2258万ドル、チャド側に2088万ドル、4月30日に承認
・ADBGと欧州委員会との枠組み合意によるもの
・資金はカメルーンのYagouaとチャドのBongor間の橋建築費とその道路、事前調査、管理費など
・橋建築の目的は2国間及びサブサハラ統合、国境間貿易、川を渡る際の生命・財産の保護、2国間の社会文化的繋がりを強めることなど
特にカメルーン・チャド間の移動時間を短縮させ、輸送費削減になり、近隣住民の基本サービスへのアクセスを改善させる
・またPAGODAのプロジェクトでは以下も進行中
 ・Lome・Cotonou間道路の修復
 ・マリとコートジボワール間のバマコ・サンペドロ回廊の道路開発と輸送施設
 ・ニジェール国境近くのブルキナファソのCU2aコミュニティ道路の修復
・ADBGと欧州委員会は、重要なインフラへの投資で貧困をなくし、シームレスな輸送可用性とエネルギー、ICTを促進するために共同融資を約束している
AFDB approves above $43.46 million grants for bridge linking Cameroon and Chad
https://www.africanews.com/2020/05/06/afdb-approves-above-4346-million-grants-for-bridge-linking-cameroon-and-chad/

#アフリカ 519 2020/5/12 【タンザニアのアボカド ゼロから年間280億シリング生産に】

タンザニアでアボカドの生産量が増えてる話です。
日本人の9割は「アボガド」と発音してると思いますが
「ガ」じゃなくて「カ」ですね。変換できなくて気が付きましたw
日本で見かけるアボカドは南米産が多いと思いますが、タンザニアは欧州に輸出してるそう。中国輸出も視野に。
アフリカではケニアも産地。
世界需要と価格が上がっているそうで、珈琲農家からアボカド農家に転身する話も。珈琲も上がってると聞いたことがありますがアボカドの方がいいんでしょうかね
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・タンザニアではアボカド生産が年間1200万ドル(276億シリング)の優良作物
 5年でここまで来た
・10年前はアボカド輸出は無かったが2014年で1877トン、2019年で9000トン輸出
・農場の出荷価格も上昇 2014年は450シリング/キロ、2020年は1500シリング/キロ
  国内バリューチェーンの苦労の産物
・国とタンザニア農園協会Tahaの共同で生鮮生産物の保管やバイヤーとのハブとなる施設を設立
・国際的な価格と需要の上昇も寄与し、地元農民は珈琲栽培からアボカドに転換するところも
・1万戸の農家がアボカド栽培中、輸出量は5年で380%アップ
・欧州向け出荷が85%で、今後10年で50%増加見込み
フランス、オランダ、英国の順
・アフリカではケニアに次ぐ生産量 ケニアは年間19万トン生産
・最近では農水大臣が北京のニッチマーケットにおろす話も
・中国のアボカド輸入額は1億ドル、いいマーケット
 ->しかし植物検疫が厳しく、二国間協定が無いので難しい
・タンザニアのアボカド収穫期は1-3月と5-8月、キリマンジャロやその他地域で栽培
 高度1100から1900メートルで年間降水量が800-1200mmの地域
・たいていは小中規模の農家
・国際市場は欧米の需要増により2011年の89万トンから2018年250万トンで178%(278%の間違い?)増加
Tanzania’s avocados go from zero to Sh28bn-a-year crop
https://www.thecitizen.co.tz/news/Avocados-go-from-zero-to-Sh28bn-a-year-crop/1840340-5548704-4mq520/index.html
このアフリカニュース投稿について。
だいたい毎日、英語のアフリカニュース複数サイトから気になるニュースを1つ選んで
自分で日本語で要約して投稿してます。
ニュース鮮度は良いかと思いますが、翻訳間違いや内容間違いを含んでいる可能性があります。
主に自分のアフリカ情報収集と英語訓練目的で、多少皆さんのアフリカ情報のお役に立てればと思っております。
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Photo by Maksim Shutov on Unsplash

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