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2020年6月3週目のアフリカ最新ニュース: 仮想通貨で太陽光発電、人気ブランドランク、ネット課税、カンヌ、アルシャバブのコロナ施設、モロッコとイタリア農家、アフリカコロナ状況

AfricaNews
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2020/6/10-6/16に取り上げたアフリカ最新ニュースです。
Twitter(@BlueBaobabBar)や
Facebook(https://www.facebook.com/cafebarbluebaobab/)でアフリカ記事をほぼ毎日ひとつ紹介していまして、そのまとめです。
今週はコロナ以外のビジネス寄りの話も増えましたし、コロナ関連でもコロナそのものというよりコロナの状況下でどう生きていくかという話に移っているように思います。
南アフリカで仮想通貨払いで太陽光発電投資できるベンチャーが資金調達した話、
アフリカの人気ブランドランキング、ケニアでネットを経由したものへの課税の話、今年のカンヌはコンゴ人監督とエジプト人監督の作品出品など。
コロナ関連では過激派組織アルシャバブが拠点にコロナ施設を作った話、モロッコの季節労働者がチャーター機でイタリア農家に出稼ぎに行く話、アフリカのコロナ感染状況などです。

#アフリカ 548 2020/6/10 【サンエクスチェンジが仮想通貨のソーラー電力で300万ドル調達】

南アの太陽光発電スタートアップが調達したという話。
ブロックチェーンで電力管理でもするのかと思いましたが、ビットコインで支払えるということのようです。
個人投資家が1パネル単位で投資(パネル購入)をして発電電力を南アのユーザーに売るというモデルのようで、面白い仕組みですね。
太陽光発電スタートアップはアフリカで熱いようです。
ちなみに日本では仮想通貨という名称は暗号資産に変わったようです。クリプトを仮想って誰がどうして付けたんでしょうかね。

・南アフリカの再生可能エネルギースタートアップのサン・エクスチェンジ
 シリーズAで300万ドル調達し、合計400万ドルを調達
 
・ピアツーピア型の暗号資産技術ビジネスで、世界のどこからでもアフリカのソーラーインフラに投資可能
 ソーラーパネルを購入して南アの学校に電力を販売するモデル
  
・1パネル約5ドル 南アのランドかビットコインで支払う
・ファウンダーでCEOのAbe Cambridgeさん
 「ビットコインはユニバーサルな決済方法で、100万分の1セントという少額決済ができるから選んだ」
・2015年ケープタウンに設立「南アだけでなくアフリカでのソーラーの可能性は大きい」
・広大なサブサハラアフリカの人口10億人のうち、電力が使えるのは約半分のみ
・南アは近頃停電、電力不足が発生
・サンエクスチェンジは162か国に個人投資家がいる
・今回の調達でサブサハラにも展開予定。ナイジェリアから
・他にも資金調達をしているソーラー電力スタートアップは多い。ケニアやナイジェリアなど
  東アフリカではM-Kopa・・M-Pesaで決済可能。1.6億ドルを調達
  ナイジェリアではレンソースRensource・・住居用ハードウェアモデルからソーラー電力の小型ユーティリティに転換
・サンエクスチェンジはアセットフリーモデル。電力使用者とソーラーパネル所有者をつなげるマーケットプレイス型
 同社はパネル販売のマージンや電力料金から収益を上げる
 
・長期的にはラテンアメリカや東南アジアも視野
The Sun Exchange raises $3M for crypto-driven solar power in Africa
https://techcrunch.com/2020/06/09/the-sun-exchange-raises-3m-for-crypto-driven-solar-power-in-africa/

#アフリカ 549 2020/6/11 【アフリカの人気ブランドトップ100 2020年版】

少し前の情報ですが、アフリカの人気ブランドトップ100。
1位から5位は昨年と変わらないようです。割と保守的なのか、アフリカ以外の地域でもそんなに変動しないのでしょうか。
トップ10にスポーツ系が3社入ってますね。
トップ100に日本企業は6社ランキングしていて、トヨタ、ソニー、ホンダ、東芝、シャープ、日産。
ジリジリとランクを下げてそのうち日本はランク外になりそうなレガシー感があるような。。(でもシャープは初ランクインのよう)
トップ100のリストはこちら
https://africanbusinessmagazine.com/wp-content/uploads/2020/05/Top-100-Most-Admired-Brands-in-Africa.pdf

・2010年の調査では100ブランド中34ブランドがアフリカのブランド
・2020年度ではたった13%、10年前の1/3
 アジア16%、欧州42%、北アメリカ29%、それぞれシェア増加
・10年前と今年のランクに入っているのはたった半数
  M&Aなどの影響も
・2020年ランク
1位ナイキ スポーツ衣料 アメリカ
2位アディダス スポーツ衣料 ドイツ
3位サムソン 電子機器 韓国
4位コカ・コーラ 飲料 アメリカ
5位テクノTecno 電子機器 中国
6位アップル 電子機器 アメリカ
7位MTN 通信 南アフリカ
8位ピューマ スポーツ衣料 ドイツ
9位グッチ 高級品 イタリア
10位エアテルAirtel 通信 インド
1-5位は去年と変わらず
・アフリカ人は地元ブランドを好まない
・アフリカ27か国の調査。アフリカ全体の人口とGDPの85%を占める
Africa’s Top 100 Brands 2020
https://africanbusinessmagazine.com/top-african-brands/africas-top-100-brands-2020/

#アフリカ 550 2020/6/12 【ネットで販売・シェア・作成したものに課税 ケニア】

ケニアのデジタル経済への課税の話。
テック系多国籍企業への課税が難しいというのは世界中で同じ課題があって、1国だけでなく全体調整が必要だったと思います。それが「他国からの報復リスク」なんでしょう。
小規模事業者には厳しくて失業率が上がる懸念は、税率が高いからでしょうかね。具体的な内容がないので分かりませんでした。
コロナのせいでケニアの歳入が厳しいとのことですが、これもどの国もそうなってそう。

・ケニアはインターネット税の対象を拡大予定
 ->税務局がコロナで収益が足りなく、負債の支払いが難しいため
・音楽、ネット通販、クラウドストレージ、移動シェアプラットフォームまで対象
・2018年10月からモバイルマネーや通信サービスへの課税が始まった
・「デジタル経済活動」は幅広く、徴税が難しい
  オンラインプラットフォームでの取引にはVAT(付加価値税)がかかっていないものがある
・2019年9月UberとGoogleナイロビ支局は当局に新法について問い合わせ&警告
 ・他国からの報復を受けるリスクがある
 ・多国籍企業は複数の司法が関係するのでネット税の施行は困難
・課題は2つ:
 ・消費者の負担が多くなろうと政府は税収を増やしたい
 ・デジタル経済へ課税しても国外のテック系企業からの税収は少しだけ
 
・新法での課税は小規模事業者に打撃、失業率が上がるという指摘も
・アフリカ大陸全体での税という案も
・新法施行は速くて2021年初め
  現在ケニアと米国間の貿易交渉中。そこでもコピーライトとデジタル経済の問題はメインテーマ
If it’s sold, shared or created online, Kenya wants it taxed
https://www.theafricareport.com/29538/if-its-sold-shared-or-created-online-kenya-wants-it-taxed/

#アフリカ 551 2020/6/13 【カンヌ2020 コンゴ、エジプト監督】

今年のカンヌはオンラインだそう。
ちょうど昨夜のオンラインイベントで南北戦争時代の映画「ハリエット」を教えてもらって、その流れからイギリスの監督スティーブ・マックイーンもおススメと聞いたところだったのですが、
そのスティーブ・マックイーンの名前が出てました。
黒人コミュニティの映画を撮っているようで、彼自身もブラックなんですね。
BlackLivesMatterの流れでこういう映画も注目されそう。
映画「ハリエット」
https://harriet-movie.jp/
スティーヴ・マックイーン (映画監督)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%83%B3_(%E6%98%A0%E7%94%BB%E7%9B%A3%E7%9D%A3)

・コロナのため、オンライン開催の予定。56作品
・アフリカ絡みでは
  ・ドキュメンタリー  En route Pour le Milliard(コンゴ人億万長者への道)by Dieudo Hamadi監督
  ・フィーチャー映画 Souad(分隊)by エジプトのAyten Amin監督
  
  ・英国人監督スティーブ・マックイーンの英国のブラックコミュニティのフィーチャー映画
     BBC の“Lover’s Rock”や “Mangrove”
     “Mangrove”はブラックコミュニティを苦しめた警察官の裁判の話で、ちょうど現在と共鳴する
・アフリカ作品の出品は無し
Works of Congolese, Egyptian directors feature at Cannes 2020
https://www.africanews.com/2020/06/12/works-of-congolese-egyptian-directors-feature-at-cannes-2020/

#アフリカ 552 2020/6/14 【アルシャバブがコロナ施設を南部ソマリアに設置】

アルシャバブがソマリアでホットライン付きのコロナ施設を作るという話。
テロ組織だと思ってましたが、そんな単純な話じゃないのですかね。市民の生活に根付いたグループなのかしら。
もう一つソマリアの話題で、ジブチがとりもってソマリアとソマリランドのリーダーが今日会談するという話。エチオピアのアビーさんも参加予定。

・ソマリアのアルカイダ系過激派アルシャバブはコロナ隔離と治療施設を発表
  脆弱なソマリアでのパンデミックを懸念してのこと
・設備は南部ソマリアのアルシャバブ拠点のあるJilibで、24時間ホットラインもある
 「症状のある人はこの施設にきて、ほかのムスリムに移さないでほしい」byアルシャバブ高官はラジオで語った
・ホットラインに電話してみたところ、電話口の男性は「この施設はすべての人にオープンだ」と述べた
・ソマリアの保健相によると、ソマリア中央と南部はアルシャバブが支配しており、コロナ感染拡大の恐れがあると警告している
  アルシャバブは過去、干ばつ時なども政府や国際保健機関の支援に抵抗してきた
  
・アルシャバブのエリアでコロナが流行しているかは不明
・アフリカの角では2500名の感染報告
  長年の紛争と貧困のため世界でも医療システムが脆弱なエリア。感染拡大が懸念されている
Al-Shabab sets up COVID-19 facility in southern Somalia
https://www.africanews.com/2020/06/13/somalia-covid-19-hub/
【ジブチ大統領がソマリア&ソマリランド会談を発表 アビー首相も】
・ジブチの大統領はソマリアとソマリランドとの会談を発表
  両国のリーダーは6月14日にジブチで会う。エチオピアのアビー首相も参加するとみられる
・アフリカ連合、EU、米国も参加
・会議の目的は2国間の信頼関係を作り、協定につなげること
・歴史的な会談になる
・ソマリア、ソマリランドとも英国、イタリアの植民地から独立して60周年
Djibouti prez confirms Somalia – Somaliland meeting, Abiy invited
https://www.africanews.com/2020/06/13/somalia-somaliland-leaders-to-meet-in-djibouti-next-week/

#アフリカ 553 2020/6/15 【モロッコ農業労働者がイタリアへチャーター機で】

イタリアの農場にモロッコからの季節労働者がチャーター機で運ばれた話。
今回はチャーター機費用を農場が出してくれたと喜んでいたので、通常はそれぞれが自分でイタリアまで行くんでしょうね。動画ではカブみたいなのを収穫してました。
コロナで世界各地のこういう季節労働や越境労働の現場にも影響してるんでしょうね。
地中海を挟んで対岸のモロッコとイタリアですが、もっとイタリアに近いアルジェリアやチュニジアからも行ってるのかしら。

・モロッコの季節労働者がイタリアへ収穫に
・新型コロナウィルスによるロックダウンで失業したり、農作物がダメになる懸念があったが
5月終わりに248名のモロッコ人労働者がチャーター機でイタリアへ
 ->チャーター機費用は農家のグループが支払い
 
・モロッコ人労働者「我々が重要な存在だと分かって嬉しい。そうでなければチャーター費用なんて払ってくれないだろうから。
 彼らはいろいろと整えてくれていて、我々は14日間自宅待機して、血液検査の結果がOKだったら仕事に戻れるんだ」
・イタリアは35万人の外国人季節労働者が農業に従事 by 農業協会Confagricoltura
・「うちの会社は今回の件で協会に4千500ユーロ(約55万円)払った。
 彼らは何年もこの仕事をやっているから彼らじゃないとできないんだ」by 農業主
 
・通常は外国人季節労働者は3月から11月までイタリアに滞在
 ->検査で陰性の人だけ仕事に就ける
 
・イタリアは6月15日からEU圏外の訪問者と労働者に国境オープン予定 
Moroccan farmers chartered to Italy for work
https://www.africanews.com/2020/06/14/moroccan-farmers-chartered-to-italy-for-work/

#アフリカ 554 2020/6/16 【アフリカのコロナ感染報告者数】

アフリカのコロナ感染者も24万人を超えて心配ですが、世界の状況も確認してみました。
ジョン・ホプキンス大学のサイトによると
・全世界での感染確認数 800万人、死者43万人
・国ごとでは
 アメリカ 感染確認者211万人、死者11万人
 ブラジル 感染確認者 88万人、死者4.3万人
 ロシア  感染確認者 56万人、死者7千人
 インド  感染確認者 33万人、死者9千人
 イギリス 感染確認者 29万人、死者4万人
 (感染確認者数順)
 日本   感染確認者1.7万人、死者929人 
感染者も死者もアメリカがダントツですね。死亡率は国によってだいぶ違いそうですが、検査数の違い等もありそう。
添付の画像はジョン・ホプキンス大学のCOVID-19ページ。

・アフリカ大陸全体で感染報告者は24万人を超えた
  アフリカ諸国は様々な防止対策と封じ込め対策を取っているが
  すべてのアフリカ諸国で感染が確認されている
  
・ジョン・ホプキンス大学、アフリカCDC、各国政府の情報がらデータを集めた
 6月15日7時時点のアフリカ状況
 感染確認者:24万2,969名
死者数:6千524名 回復者11万735名、闘病中12万5710名
感染者の多い国
エジプト 4万人
ガーナ 1.1万人
ナイジェリア 1.6万人
南アフリカ 7万人
Coronavirus in Africa: 242,969 cases; 6,524 deaths; 110,735 recoveries
https://www.africanews.com/2020/06/15/coronavirus-in-africa-breakdown-of-infected-virus-free-countries/
https://coronavirus.jhu.edu/map.html
このアフリカニュース投稿について。
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